あらすじ
ある地方都市に暮らす家内更紗は、かつて事件に巻き込まれた過去を持つ。15年前、小学生だった更紗が、家での居づらさから19歳の少年佐伯文の家に自ら足を運び、社会的な事件となってしまったのだ。それ以来更紗は、自分を押し殺し静かに生きてきた。だが、アルバイト先の友人とふらりと立ち寄ったコーヒー店『calico』で再会してしまう、あの文と。この出会いは二人に何をもたらすのか――。更紗と文、二人の再会とその後を、『フラガール』『悪人』『怒り』を手がけた李相日による監督・脚本で映像化。原作者・凪良ゆうと李相日監督の対談も収録した、ファン待望のシナリオブック。
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Posted by ブクログ
人間の嫌な部分が見え、自分を確認する作品。
一般と違うだけで異様な目で見て、その人とその周りの全てを否定する。
幼女と成人男性が関わる事件は、性被害があったという前提で考える。
被害者を哀れな目で見て、可哀想な子というレッテルを貼る。
客観的に見たら、自分はこんな偏見的な考えはないと思うのかもしれないが、実際は多くの人が思っていることで、偏見的な目を持っていない更紗や文のような人はごく一握りなのかもしれない。
人間は過去に影響されるが、更紗と亮では影響の形が違う。
更紗は両親との楽しかった思い出を振り返り、学習としている。
亮は母に捨てられた過去から、愛情が執着へと変わっている。
人間は誰しもが闇を抱えていて、それが合わさった時の化学反応は千差万別であることを学んだ。
これからの更紗と文の人生が幸せであることを願う
Posted by ブクログ
「人は分かりたいようにしか分かってくれないのかもね」
本人から真実を聞いたわけでもないのに真実を分かったつもりになっているたくさんの登場人物が怖かった。
本人はその出来事で救われたかもしれないのに。
私も現実では無意識に分かったつもりになってしまっていないだろうかと、己を見返すきっかけにもなりました。
「更紗は更紗だけのものだ。誰にも好きにさせてはいけない。」
一番印象に残るセリフでした。大人になった今でも子供の時に文に言われた一言を今も支えにして生きている更紗。握りあった手を今でも思い出す更紗。
とても信頼し合っている関係だと思いました。それを許さない世間に苦しめられる。
そんなお話しでした。
「もうやめてくれ」
文が警察に言った一言・演技が衝撃的でした。今までの辛さを爆発させたかのようでした。
最終的には、気にせず流れるように生きていくと決めた更紗と文が笑っている事を願います。