【感想・ネタバレ】人生には何ひとつ無駄なものはないのレビュー

あらすじ

人生・愛情・宗教・病気・生命・仕事などについて、約50冊の遠藤周作の作品の中から抜粋し編んだ珠玉のアンソロジー。著者が亡くなってからも決して色あせることのない文章、考え方は、ときに優しく、ときに鋭く私たちの胸に響く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人生には何ひとつ無駄なものはない >>は、遠藤周作さんが残してくださった珠玉の言葉を、親しくされていた鈴木秀子さんが、選び取って編んだものだそうです。
≪人生というものがわからないから、われわれは生きて、そして人生とは何かということを、生きながら考えているのだと思います。≫ なるほど、どこまで行っても人生というものがわからないから、わからないのに死ぬわけにはいかないものね。だから生きているんだね。私は、もう57年も生きているのに、あいかわらずわからなくて、このようなタイトルの本があることを知って、内容が良いと聞くと手に取らずにはいられない。

≪60歳になる少し前ごろから私も自分の人生をふりかえって、やっとすこしだけ「今のぼくにとって何ひとつ無駄なものは人生になかったような気がする」とそっと一人で呟くことができる気持ちになった。≫そうなんだ。くやしいなぁ~私は、まだまだ、とてもそんな気持ちになれなくて、上手く行かなかったことをいつまでも後悔しているし、上手く行ったことも「もっと上手く出来たんじゃないかと」思ったりしている。

57歳になった私が、今この本に出会えたのは、まさに運命のような気がする。≪滅入ったときには、本屋に行ってしかるべき本を買ってくるんだ。読めば一語一語が身にしみてわかるはずだ。≫という言葉が温かい。

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2020年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祖父の本棚からもらってきた本。
共感できる言葉、勉強になる言葉、自分を戒めてくれる言葉などたくさんあった。
全部挙げればキリがないので、いくつかだけ挙げたい。この一冊を何度も読み返したい。

「我々の人生というものは、自分が選ぶ状況と、自分の意志とは関係なく与えられた状況がある」

「我々の人生のどんな嫌な出来事や思い出すらも、ひとつとして無駄なものなどありはしない。無駄だったと思えるのは我々の勝手な判断なのであって、もし神というものがあるならば、神はその無駄とみえるものに、実は我々の人生のために役に立つ何かを隠しているのであり、それは無駄どころか、貴重なものを秘めている気がする」

「我々の人生には絶対的なものなどありはしないということにつきる。」

「たとえばあなたの細君の人生で、あなたは彼女の重要な傍役である。あなたの友人の人生にとってあなたは決して主人公ではない。傍をつとめる存在なのだ。」

「また心配事が増えたぞ。生きていることには心配の連続の部分がある。」

「自分がいつも正しい、正義漢だと思っている人というのも、知らず識らずのうちに傲慢という罪を犯していると思います。なぜかというと、自分が正しいと言う気持ちは、必ず他人を裁こうとします。つまり、人を裁こうとする気持ちというのは、自分が裁く相手の心の悲しみとか寂しさということが、よくわかっていないことなのです。」

「愛慾は相手の自由をうばい、自分も深く傷つける。しかし愛はその逆になる。」

「教育とは結局、自分が自分にすることだなあ、と考える。そして、どんな環境にあってもそこから自分を教育するコヤシは見つかるのだなあ、とも思う。」

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2023年04月29日

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