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Posted by ブクログ
19世紀ー20生活における社会主義ー資本主義の転換に伴う女性の経済的自立性、出産、病気に対するセーフティネットの状況が女性の恋愛観にも大きな影響を与えたという内容。
セックスから資本主義/社会主義を語る切り口が斬新。
社会主義で男女平等な時代では性交渉に対して女性の自立性は自然と担保されていたし、離婚したからといって失業や生活に不安を感じる事は無かった。
ところが、米国式の資本主義社会が流入すると、男女の社会ロールは分断され、女性は生活に対して男性に依存する必要性が生じた。
1990年の東ドイツの女性は性交渉において男性よりも優位に立っており、西ドイツの男性が自分の富を見せてもなびかない女性を口説くのに苦慮した。
社会主義が崩壊した東ヨーロッパでは、女性の貧困度は更に進み、資本主義における交換財としての女性の性交渉が価値を強めるようになった。
女性が女性の性に厳しいのは軽く見られる事で、女性のセックス資産価値が毀損されると感じるから。
という視点は日本では聴く事が無く、なるほどと感じた。