あらすじ
関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らは包帯クラブを結成する。その活動を描いた前作『包帯クラブ』から16年。本作は前作の終わりから話が始まる。場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと集まりバンド活動を始める彼ら。発表の場を求めながら、さまざまな人と出会い、再び物語は動き出す。本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。この世界にあふれた悲しみのひとつひとつを手当てすることは難しいが、だから何をしたってむだ、とは言いたくない。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第2幕が開く。
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Posted by ブクログ
続編。
何者にもなりたくないという思いが由来の方言会話がなくなり(それだけ大人になったということかな)キャラも掴めて、どこか客観的位置にいるギモ視点のおかげで前作よりだいぶ読みやすくなってたと思う。
「あとがき」にもあるように、前作で「報告書」という形で語られていた彼ら・彼女らの未来を現在進行形で描きつつ、それに至る過程を前作直後から過去の出来事として描いている。
「障害」や「差別」、「紛争」、大小関係ない様々な問題に抱いた感情真っ直ぐに自分たちの出来ることをする、やりたいからやる彼女たちの目覚ましい活動、経歴を読んでいると、自分の人生に満足してないからか「自分は何もしてないな」なんて卑下してしまうこともあるが、もちろん僕は、ワラでもディノでもタンシオでテンポでもリスキでもギモでもない。
ただそれでも、お互いに包帯を巻きあえる関係性は羨ましく、そんな関係性を築いていければと思った。
Posted by ブクログ
前作、包帯クラブから16年目の本作だそうです。
クラブのメンバーも前作と同じもしくは追加メンバーもいますが、すべて忘れています。
その彼らも大人になって、社会人になって、医療現場だったり、報道カメラマンだったり、外交的仕事についたり、国際的に動いていて、包帯クラブもバンテイジ・クラブとして、その活動は世界的なものになっています。
痛みや悲しみや辛さは世界共通どこにでもあって、彼らの活動はとどまることがないのです。
もしこの作品が映像化されるとしたら、BGMはスピッツかなと思いましたが、やっぱりあいみょんだなと、頭の中であいみょんを流しながら読み終えました。