あらすじ
名君・保科正之の来歴を、爽やかに描きだす。
生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。
不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。
養母となった武田信玄の娘、見性院。
人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主、保科正光。
そして陰に日向に力になってきた老中、土井利勝。
江戸城の外で育った「将軍の子」は、
いかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。
今もっとも注目される歴史時代小説の新鋭が、その半生を辿る。
※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
名君であった初代会津藩主、保科正之公についての物語。江戸時代になり戦が無くなった世の中でもいろんな社会不安はある。権威を笠に着ることなく、常に民のことを考える姿勢には心打たれる。大きな話の展開があるわけではないが、時代小説が好きなら、その世界に浸れるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
木下昌輝が気に入ったので「戦国 番狂わせ七番勝負」で競作している時代小説家を一通り読んだ見た中で佐藤巖太郎が良かった。保科正之をめぐる、主人公がそれぞれ異なる連作短編集で、読みやすく且つ読み応えあるもので、とても良かった。保科正之を立派な人物として描き過ぎているところは気になったが。
Posted by ブクログ
将軍秀忠の子でありながら養子に出され育った保科正之の生涯を描いた短編集。生後間もない正之を引き取って育てた武田信玄の娘見性院、自分と境遇の似た老中土井利勝は陰日向に正之を支え、清廉な人柄に成長する。正之は色々な人々との出会いの中で成長し家光死後の江戸幕府の屋台骨を支える人物となる。