あらすじ
修行を積み、女剣士として立つ日を夢みる知佐
子持ちの町方役人の後添えにと望まれた女剣士が、幼子との交流を通じ成長する姿を描いた表題作他
市井の人々の機微を写しとる六篇
※この電子書籍は2000年9月に実業之日本社より刊行された単行本の文春文庫版をを底本としています。
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Posted by ブクログ
宇江佐真理「余寒の雪」、2000.9刊行、2003.9文庫。独立9話。大奥での壮絶な経験を持ちながらも静かで凛とした姿をくずさないお梅39歳を描いた「藤尾の局」。大柄で力持ち、豪快に見えるけど純朴で可愛らしい大滝太夫28歳を描いた「梅匂う」。剣術修行のために仙台から江戸に来たつもりの原田知佐20歳、北町同心の後添えとなることが親の希望と知り反発するも、共に過ごす内に剣を捨て同心の家族になることを決めた「余寒の雪」。秀逸でした。この3人の女性の美徳、強さ、可愛らしさ、日本女性のどの女性にもある気がします。
Posted by ブクログ
2021/10/18
後半の史実に基づいたっぽい話が苦手で。
話が面白くてもその人の歴史とか調べたらだいたい「えー」ってなるやん。史実。
この度は知らんけど。
結局みんな死んだ。ってなるから史実不要。
大陸に渡ってチンギス・ハーンになったらしい。でいいねん。私は。
Posted by ブクログ
【本の内容】
男髷を結い、女剣士として身を立てることを夢見る知佐。
行く末を心配した両親が強引に子持ちの町方役人と祝言を挙げさせようとするが―。
幼子とのぎこちない交流を通じ次第に大人の女へと成長する主人公を描いた表題作他、市井の人びとの姿を細やかに写し取る六篇。
中山義秀文学賞受賞の傑作時代小説集。
[ 目次 ]
[ POP ]
浅草や両国を舞台にした、江戸の人々のあたたかさを描いた人情話の短編集。
精一杯に生きて、恋をして、人に対する思いやりを忘れない、人生に真摯に取り組む主人公たちの姿を想像するだけで幸せな気持ちに満たされる。
主人公たちの職業も小間物屋、両替商、染物屋、遊女屋などすぐにイメージできる定番のもので、感情移入しやすい。
必ずハッピーエンドになるのも、読後感が良くて好感が持てます。
中でも私のお気に入りは「あさきゆめみし」。
女浄瑠璃、京駒の追っかけをしている染物屋の正太郎は仲間からも軽んじられている情けない男。
しかし、その友達に京駒を盗られ、持参金のためだけに正太郎の姉と祝言をあげるということを聞き、とうとう堪忍袋の緒が切れた!
正太郎が段々と成長してゆく姿が微笑ましい。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 参考となる書評 ]