あらすじ
「武家の古都・鎌倉」が世界遺産として認められないのはなぜか――。われわれが認識している古都鎌倉は、鎌倉時代そのままの「古都」ではなく、古都の魅力に惹かれた人々が、時代ごとに付け加えてきた由緒や魅力、いいかえれば「幻想」の集大成と言えるからである。日本人の記憶と想像によってつくられた都市鎌倉の実像と魅力を、源氏以前の時代から現在までの通史をたどることで浮かび上がらせる。
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Posted by ブクログ
幻想の都というインパクトのあるワーディング。この都というのは鎌倉時代の都市・鎌倉ということ。江戸時代以降から名所旧跡の多い観光地としてのイメージが再生産されてきたというところがおもしろい。
縄文から現代まで、都市としての姿に焦点をあてて鎌倉の歴史を解説しているところが興味深い。
Posted by ブクログ
都市鎌倉について古代から現代にいたる歴史を辿る内容。都市として奈良時代を原点に鎌倉時代に発展していく様相や、近世以降の観光地化を経て共同幻想とでも言えるような「古都」のイメージが形作られていく過程が興味深く面白い。
Posted by ブクログ
ふわっとした鎌倉追憶的なエッセイなのかと思わすタイトルですが、中身はガチの鎌倉都市形成史でした。奈良時代から都市の形成が始まり、鎌倉時代にも軸が東西から南北に変わったりと変化の大きい都市だったようです。個人的には、低取るに結びつく幻想への流れを江戸時代、明治時代の分量を増やして、もう少し手厚く解説してほしかった気もします。
いや久しぶりに鎌倉に行って、この本の記載を確かめてみたくなりましたね。