あらすじ
世界は簡単に変わらない。だけど、今この現実を共にもがく。
反・ルッキズム(容姿差別)×シスターフッドの話題作、最新第3巻!
<あらすじ>
「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた知子と、「美人」の美容研究家・梨花。
2人は考え方こそ違うが、共にルッキズムに苦しみ「世界を変えたい」と強く願っている。
想像してみる──
「チビ」だろうと「ブス」だろうと
誰にもバカにされないで
ファッションも恋愛も楽しめる…
そんな世界を。
これまで曖昧にされてきた美醜のもやもやを
複数視点から描く話題作!
反響続々!
・Amazon「女性問題」部門第1位!
・漫画アプリ コミックDAYS(少女/女性部門)第1位!
・「王様のブランチ」(TBS)で紹介!
「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた山井 知子(やまい ともこ)。
大人になった彼女は、自分をいじめていた“美人”の同級生・白根 梨花(しらね りか)が美容家として成功し「反ルッキズム」の活動をしていることを知り、怒りに震えます。
納得がいかない知子は、梨花への復讐を決意しますが…。
「ルッキズム」という言葉をご存知でしょうか。
容姿の美醜によって人物の価値をはかるような外見至上主義を表す言葉です。
近年、ルッキズム的な発言や価値観が問題視されるケースが多くなりました。
この物語の主人公・知子はそんなルッキズムにがんじがらめに縛られて身動きが取れなくなっているように感じられます。
作中、知子が梨花に対して言った
「どうしてブスが…差別されている側の人間が変わらなくちゃいけないんだよ!」
という叫びは、ルッキズムだけでなく、ありとあらゆる差別について言えることではないでしょうか。
しかし、知子の主張はそれだけでは留まりません。
「美人にルッキズムのなにがわかるっていうんだよ」
ルッキズムを否定したい知子ですが、そんな彼女もまた美人に対してルッキズム思考がはたらいていたのです。
学生時代の梨花はその美しさ故に男子から言い寄られ、男子をとりまく女子からは反感を買うことが多々ありました。
美人というだけで中身は関係なく判断されることに嫌気がさし、高3で自分を変化させた彼女でしたが、知子と出会ったのはそんな時でした。
見た目で判断されることの辛さを知っている梨花だからこそ、周りから何と言われようが堂々としている知子の強さに憧れていたのですが、知子は梨花のことをいじめの首謀者と敵視していたのです。
それは美人である梨花への偏見から生じる思い違いでした…。
知子からすれば容姿に恵まれ人生イージーモードのように思える美人の梨花もまた、ルッキズムの地獄を味わっていたのです。
ルッキズムによって傷つけられたハズの知子がルッキズムによって梨花を傷つけるという、なんとも皮肉な構造になっています。
描くのは『わたしはあの子と絶対ちがうの』のとあるアラ子先生。
『わたしはあの子と絶対ちがうの』ではアイデンティティについてリアルに描かれていました。
とあるアラ子先生はとても身近な、誰しもがモヤっと思ったことがあることをそのまま描かれるのですが、多角的な視点で描いているところが凄い!
今作もルッキズムというテーマですが説教臭さはなく、こっちから見ればこうだけど反対側から見ると違う…ということに気付かせてくれます。
梨花と知子がお互いにどう変化していくのかも気になりますが、彼女達をとりまくキャラクター達にも注目です!
身長が低いことに悩む小坂や元女芸人の山本、プラスサイズモデルの奈緒美など、様々な悩みを抱えた人物が登場します。
どのキャラクターも「その気持ちわかる!!」と感じられる部分があるのではないでしょうか。
ルッキズムとはなにか?ということや、そこに根深くある問題、悩む人たちが悩まずにすむにはどうしたら良いのかを鋭く描いた本作。
この作品を読んで「ルッキズム」について考えるキッカケにしてはいかがでしょうか。
感情タグBEST3
リクトくんの悩みは、ただの甘え
今回のメインは地下アイドル・リクトくんの話。
山本さんが心の支えにしている、推しのリクトくんは、
歌もダンスも今一つなのに、グループでは人気ナンバーワンというポジションに悩んでいる。
美形の人達同様、顔だけで自分の実力を見てくれない…的な。
根っから真面目な性格なんだとは思う。
でも、だからと言って通ってくれるファンに八つ当たりは絶対に良くない。
「どうせお前も顔ファンなんだろ?」とか。応援メッセージすらウザいと思ってしまうとか。
最初は顔ファンだっていいじゃん、自分が歌とダンスをもっともっとがんばればいいいだけなのに、うじうじと…。
気持ちは分からなくもないけど、やっぱり甘えてると思う。ファンも付かないアイドルグループだって星の数ほどいるのに。
歌とダンスは、死ぬ気でがんばれば上達すると思うけど、顔面はどうにもならないんだよ?
整形という手もあるけど、お金はかかるし理想通りの顔になれる保証はない。顔が良いって事がどんなに恵まれてるか分かれーー! 笑
最終的には、活動を一時休止して歌とダンスをがんばって出直すと宣言したのでちょっとすっきりしました。
ブス代表としての考察
ブス世界一から言わせてもらうと…
最初はきれい事と思っていた。
美人社長が何言ってんだかって思ってた。
でも、美人には美人なりの、アイドルにはアイドルなりの、男子には男子なりのコンプレックスがあるのが解った。
美人であるが故のコンプレックスに悩むなら、「じゃあ、ブスになりたいか?」って言ったら、なりたくないだろうし。
今回は男の方が偉い!も出てきた。
勘違い男も悪いが、勘違いさせてる女も悪い。
最初のきれい事マンガから、少しずつ読みたい気持ちになってきた。