あらすじ
夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!
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Posted by ブクログ
人が死んだ後食べることによって次の生命の活力にする為に行為をすることが勧められた生命式が当たり前の世の中に疑問を持っていた主人公が、仲のいい同僚が別の自分用のレシピで食べてもらう話。それによっておいしくて、少しずつエネルギーになり、変化していく。海に行きそこで出会ったゲイの人の精子を入れる。1人の体が1番素材として優れている世界で旦那が理解ができなくて使うのが残酷でやっていたけど死んだ父の皮膚のベールで少し考えが変わったり、生命感のない自分が嫌だから人に触れたくて優しくする人。ゲロが1番興奮したり、おとなしい女の子が本当に自分の欲の触れたいという思いだけで性行為をしたり、カーテンと三角関係になった話とか街を食べる話。自分の中にコミュニティーによって人間が変わるのを過剰にしてしまう主人公が旦那との2人のコミュニティー用の人格が生まれた話とか全体的に現代にマッチしていて凄く面白かった。人の価値観とは何なのか、基本的に移っていくものだし、変化していく。昔の価値観を持ってみんな困って自分ないし、正解を模索していく人。面白かった。買ってもいい。
Posted by ブクログ
最後の話が1番好きだった。自分が属する集団によってキャラが変わってしまうのは意外とあるあるなのかもと思うけどここまで極端な人はそういないだろうな。人生疲れそう。こういう人いるんだろうな感じがする話ばっかりだった。世界観が独特だし描写が丁寧だから所々気持ち悪い部分もあってホラーとは違う意味で怖いところがある。
一つ目の話は葬式じゃなくて本のタイトル通り生命式って名前になり死んだ人のお肉を調理してみんなで食べる話。自分の常識が生きてるうちに変わるのは今は怖いと思っても周りが受け入れてるならそのうち違和感もなくなっていくんだろうなって思う。例えが極端だけど小さいことなら今も起こってる気がする。その価値観に違和感があった主人公が同僚の死をきっかけに世界に順応しちゃった。
二つ目はファッションとして人毛とか歯とか皮膚が使われるのが普通の世界。主人公はこの世界に馴染んでるけど恋人が嫌がってるタイプ。
Posted by ブクログ
「生命式」「素晴らしい食卓」「孵化」の3つが個品的には好きでした。まさに村田沙耶香さんって感じの内容。
いつもですが、登場人物(主人公?)の振る舞いや雰囲気は、どこか狂気じみてはいるものの、なぜは自分と重ねてしまうところが多いです。だからこそ物語に引き込まれてしまうのですが、自分にはこんな一面もあるのかな、と思うと少し怖くなることも、、汗
まだ世界99は読んでいないので、読みたくなりました!
Posted by ブクログ
「生命式」
会話が異常だが、日常に馴染みすぎていた。
レシピに「俺の肉」で不謹慎ながら笑ってしまった。
葬式なのにパーティー、宴会のようだ。
「素敵な素材」
物語の中で出てくるものが想像できなかった。
いい話だった。
「素晴らしい食卓」
変わった食事。p102の圭一さんの母のストレートな物言いが面白かった。
「夏の夜の口付け」「二人家族」
性的指向。自分の想像にはない家族の形。
長女の6年生の時、面白かった。
「大きな星の時間」
絵本の読み聞かせのような文章だった。
「ポチ」
事件が起きないかヒヤヒヤした。
「魔法のからだ」
性について向き合っていて、神秘的な表現がされており、とても美しいことのように思った。
「かぜのこいびと」
お気に入りのものについて人間のように扱っているのが新鮮だった。主人公がカーテンであることも新鮮だった。
「パズル」
離人感というものだろうか。主人公は、自分には生気がない、人間らしさがないと感じている。
それゆえに、人間らしさ、人間の生々しさに憧れや羨ましさがある。
世界観の理解が遅れてしまったり、わからなかったりしてp195くらいから比喩表現がうまく読み取れなかった。
カルトにはまっている人のようだった。
「街を食べる」
主人公の野草に対する好感度が高まりすぎて怖かった。
「孵化」
怖いと思ったが、同時にコミュニケーション能力が高いとも思った。
ハルカもハルカだが、マサシも怖かった。
Posted by ブクログ
初めての村田沙耶香作品で、どんな話なのか1ミリも知らずに読み始めてみたので、1話目で「…あっ、人食べんの?そういう感じか笑」と、新鮮な反応で読めて面白かった。
「…だって、正常は発狂の一種でしょう?この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」
の台詞が1話目の生命式にあるというのはその後の話を読み進めていくうえでもいいリードになっていると思う。
この本はいろんなところに載せているものを集めたようなので繋がりはないのかもしれないが、いろんな「正常な発狂」を集めたものであるという一貫性があると思った。
何が普通なのか分からなくなる。
私が思っている正常も発狂であることが分かる。
非常に頭と自己を混乱させるおもしろい作品だった。
コンビニ人間でもそうだったが、村田沙耶香は建物に代謝や内臓を見る。これは、建物を人間に寄せているというより、人間が建物的であるという目線である印象を受けた。
デカルト的な考え方と言えるのだろうか。
人間の機械的な部分を描くために、建物を人間的に描いているのだろうか…と思ったり。