【感想・ネタバレ】生命式のレビュー

あらすじ

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中学生の時まさしく「オタク」と呼ばれて冷笑されていました。しかし、近年社会経済がオタクの価値を見出してこちら側に縋り付いて全員が何かのオタクであることを許容しています。それが私には本当に許せないことで、その経験があったので生命式の主人公には共感できるところがありました。昔の痛い経験が今は当たり前で、ただその今の文化にもちゃんと恩恵があるし共感できるところもある。少数派が急に多数派に連れてこられたら動揺しますが、社会は常に流動的なので、私も受け入れられるようにしていきたいなと思いました。
互いに人の価値観を受け入れはしなくても、理解し合える仲になれれば理想的です。

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者が自選した、短篇12作。好き嫌いが分かれそうな本だけど、自分は面白かった。登場人物はひたむきに狂っていて、それを笑って読んでいると、著者からの鋭い問いが直撃する感じがたまらなかった。表題作の「生命式」で、山本が言っていたが、常識や本能、倫理はずっと変容し続けていて、それに適応した多数の人間がその時代の「普通」を作り出しているだけだと思ったら、気が楽になった。一気に世界に引き込まれた「生命式」、面白可笑しくて一番好きだった「素晴らしい食卓」、比較的マイルドで共感しやすい内容の「孵化」が印象的だった。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

常識を疑う小説がたくさん入った短編集。私は「孵化」が一番好きだった。誰しも本当の自分ってどれだろうと思ったことはあるはずだが、そのブレを究極まで突き詰めた女の子のお話。結婚するために新たな自分を生み出して、この子はこれから先また違うキャラクターを演じなければいけないのかと後味が悪かった。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「生命式」がダントツに面白く、ほかは設定が面白いけど短すぎてあっけない。
「山本はカシューナッツと合うんですね」こんな文字列を目にすることがあるとは思わなかった。料理の描写が丁寧で湯気とカトラリーの音と匂いが目に浮かぶ。うっかり食欲がわくところでした。あと「素晴らしい食卓」のそれぞれの料理のぶっ飛び方と登場人物の変なテンションが面白く、読んでてニヤニヤしてしまった。村田沙耶香さんの「食べ物」小説は危険すぎるwww

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2025年04月22日

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