あらすじ
時は鎌倉末期。幕府の命数はすでに尽き、乱世到来の情勢下、大志を胸に雌伏を続けた男がひとり――。その名は楠木正成。畿内の流通を掌握した悪党は、倒幕の機熟するに及んで草莽の中から立ち上がり、寡兵を率い強大な六波羅軍に戦いを挑む。日本史上屈指の軍事的天才と称される武将の真の姿を描く、北方「南北朝」の集大成たる渾身の歴史巨篇。
【目次】
第一章 悪党の秋
第二章 風と虹
第三章 前夜
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Posted by ブクログ
素晴らしい。まさしく「北方太平記」の集大成。乏しい史料を元に、楠木正成がなぜあのような戦をしたのかを徹底的に考えて物語を構築したのだろうな。全頁に作家としての力量が漲っている。その筆力に感動する。楠木正成を臆病者として造形したのもよい。人物に奥行きと深みを与えている。もちろん、ここに描かれるのは作家の想像(推測)、創造したものだけれど、実際そうだったのではないかという気にさせられる。下巻が楽しみ。