あらすじ
夏休みも終わり新学期を迎えた高1の光夏。六月の“あの日”以来ずっとクラス中に無視され、息を殺しながら学校生活を送っていた。誰からも存在を認められない日々に耐えていたある日、幼馴染の千秋と再会する。失望されたくないと最初は辛い思いを隠そうとするが、彼の優しさに触れるうち、堰を切ったように葛藤を打ち明ける光夏。思い切って前に進もうと決心するが、光夏は衝撃のある真実に気づき…。全ての真実を知ったとき、彼女に優しい光が降り注ぐ――。予想外のラストに号泣必至の感動作。
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Posted by ブクログ
自分は、千秋のように今自分が何を感じて、何の感情を抱えているのか気づけない。鈍い人です。
だからこそ、自分の代わりに気づいてくれる人。自分の代わりに怒って、悲しんで、喜んでくれる人。そんな人が周りにいることに、とてもありがたさを感じています。
この物語に出会えて良かった。
Posted by ブクログ
予想してない角度からの展開の結末は心を抉られるなあ
途中はどうなるか展開が読めずにバカ泣いたけどいい感じに終わってくれてよかった。やっぱり自分のことを大切にしてくれる人を守れればそれでいいんだ。
人は1人で生きていけないから。他人に頼り頼られるべきなんだ。
Posted by ブクログ
[初投稿]
パッケージに引かれ、スマホが普及し活字離れが多く見られるこの現代に久しぶりに読んで見た。フラッと入った本屋さんでふと目についたからだ。正直に言うとこの小説家さんのことは知らなかった。何気なく読んで見ただけなのに、読み進めていくうちにどんどん面白くなっていった。元々眠くなる体質ではないけれど、ハマっているゲームもあり小説から少し距離をとっていたのだ。そして終盤になると泣いてしまった(電車の中で)笑。本で泣いたのは初めてだった。
※ここから少し内容に入るので自己責任でどうぞ
光夏はいじめられていたのに、自分はいじめられてなんかないと思い込ませて過ごしていた。自分もいじめられていたことがあったので光夏の気持ちが良くわかる。誰だって自分のことを「私はいじめられている」なんて認めたくないし、思いたくもない。信じたくもない。周りの大人たちはよく「気づいてあげられなくてごめんね。もう少し早く言ってくれたら良かったのに。」とか言うけれど光夏もそうだったけれど気づかなかったんじゃなくて気づかれないようにバレないようにしていたから当然だ。知って欲しいし気づいてくれたらどんなに楽になるかとも思うけど気づかれないようにしてしまうのが現実だ。だって、心配かけたくないから。
千秋君が光夏がいじめられてる時に教室で庇ってくれた時がとても印象に残っている。涙が止まらなかった。自分のことじゃないのに自分のことのように嬉しかった(笑)。辺り一面が金色に染まって光夏が消えそうになったシーンで最初はよく状況が掴めなかった。でも、分かった時には「あー、そういうことだったんだ。」と納得して、悲しさと共に鳥肌が凄かった。鈍感な千秋が告白してくれたときも「千秋なのにすごいストレートやん。」と感動した。
自分は今を生きている若者たちに是非読んで欲しい作品だと思った。スマホが手離せないこの現代にせっかくまだ小説という物が生き残っているのだから。特に今いじめられている人、又はいじめられていた人、いじめをしていたことがある人に読んで貰いたい。いじめられていなくても今が辛い人の心に刺さると思う。いじめをしたことがある人にはこんなに酷いことだったんだと気づくことが出来るし、ここまで人を追い詰めて苦しめていたんだと自覚してくれる人が少しでも多く増えることを願う。たしかに、いじめはかなり重くてセンシティブな内容だけれどそれを敢えて扱っているということはきっと誰かの役に立つ、心に刺さる人がいるからだと思う。だからこそ今を生きている全ての若者に伝えたい。
かなりの長文になってしまったけど、長々と読んでくれた方はありがとうございます。