あらすじ
「この本を読み終わったあと、あなたはファンダメンタルズ、テクニカルの両マーケティングをマスターし、一流のWebマーケッターに生まれ変わっているだろう」
"無一文から4年連続上場&株価上昇率日本一"
東証プライム上場社長・現役マーケッターが、
Webマーケティングの成果を最大化する83手法を全公開!
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【ファンダメンタルズマーケティング】
商品そのものやユーザーのペルソナ、インサイトを分析してコミュニケーションを設計すること。すなわち人間の感情をベースにしたコミュニケーションの設計方法である。
【テクニカルマーケティング】
クリック率や遷移率、購入率などの数値分析できるデータから顧客とのコミュニケーションとの設計をすること。デジタルデータを駆使して利益を1円単位で計算しながら運用していく方法である。
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<本書の構成>
●第0部
「ファンダメンタルズマーケティングとテクニカルマーケティングの概要」
●第1部
「ファンダメンタルズマーケティングの極意」
●第2部
「テクニカルマーケティングの極意」
●第3部
「これからのマーケッターとブランド戦略の行方」
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Posted by ブクログ
独自のデジタルマーケティングで
業績を伸ばす北の達人コーポレーション社長の著作。
恐れ入りました。
大上段に構えるマーケティング理論ではなく
現場の隅の隅までやり上げたからこそ
生まれる筆圧です。
デジタルマーケティングとかITベンチャーとか
聞こえはいいけど、現場は熾烈かつ強烈。
それをやり遂げたからこそのお話です。
1000円を1300円にできる努力をしよう。
Posted by ブクログ
デジタルマーケティングだけをやっている人間は単なるデジタルオペレーターだと言ってバッサリ切り捨てる著者。北の達人という人気ECを運営しているが、元々はリクルート出身である。
タイトルのファンダメンタルズとテクニカルは、元々投資の世界で銘柄分析をする際に使われる用語を当てはめたという。ネットトレーディングが普及して以降、投資先の企業がどんなビジネスをしているかを知らなくても短期取引を繰り返す事で莫大な利益を上げる投資家は珍しくなくなっている。同じく、マーケティングの世界でも消費者を理解する事なくデータだけを見てマーケティングを行うのが著者の言うテクニカルマーケティングである。投資とは異なり、対象となる消費者を理解せずして行うマーケティングの危うさを指摘している。それを補完する意味で、従来より存在するマーケティングの考え方をしっかりと理解した上でデジタルマーケティングを行わなければ、それはただのデジタルオペレーターという事だ。実際、評者も世の中のデジタルマーケティング関連の人たちと話をすることがあるが、常々その薄っぺらさを感じていたし、著者の提示する問題意識には同感である。
【ABテスト】
デジタマーケティングではABテストが頻繁に行われるが、これは答えが分からないのでユーザーにそれを選んで貰うという意味ではない。少なくとも自分自身が仮説を持ち、それを検証するというプロセスではなければやはりそれは単なるデジタルオペレーターである。ユーザーが望むものは何か、それをどの様に伝達するのかという仮説無しに、ただ闇雲にビジュアルやコピーを作成してABテストをしてもそれはマーケティングとは言えない。A有名なオバマの選挙キャンペーンのABテストに関する著者の洞察は示唆に富む。他の情報ソースから、Learn Moreのボタンが最もクリクされたという話は知っていたが、それを以て全てのバナーにLearn Moreのボタンを設置すれば良いという話しにはならない。実際そのように理解しているマーケッターも少なくないと思われる。写真もオバマが家族と一緒のもの、コピーは「Change」の組み合わせが最もクリックされたというが、これは米国民が大統領に「愛情」と「変革」を求めているという解釈になる。”バナーはどんな写真がいいか”という低次元な話ではなく、ABテストは”大統領選はどう戦うべきか”という戦略レベルでの話が本質なのである。
【お一人様2個まで】
著者の経験談の中で興味深いのが、商品名に立った数文字「お一人様2個まで」と加えただけで、ほとんどの購入者が2個購入する様になり売上は1.5倍になったという事例。購入者はそもそも何個必要なのかとう事は購入時には考えていない。提示される事で、数量が限定されているのであれば2個買っておこうとなる。
【注文ボタン】
また、申込みボタンを「注文する」から「試してみる」に変えるだけでCTRが1.2倍に、「試してみる→」に変えると更に1.2倍になったという。たった1,2文字を変えるだけでもこれだけの成果がある。マーケッターは常に、本当にそれで良いのか、もっと心を動かせる表現は無いのかと突き詰め続けなければならない。
【ビールとおむつ】P216
アメリカのあるショッピングセンターで顧客の購買データを分析すると、缶ビールを買う人は一緒におむつを買っている傾向がわかった。理由を探るために担当者は1週間店のレジに張り付いたという。そこでわかったのは、「普段は持てないような重いものやかさばるものを週末に車で夫についてこさせて一緒に買物する夫婦が多い」という事だった。その後、そのショッピングセンターでは「週末まとめ買いコーナー」を設置して、おむつや缶ビール以外にも、ミネラルウォーター、粉ミルク、トイレットペーパー、洗剤、ドッグフード、猫砂などを一箇所に集めて陳列し、週末の売上を伸ばしたという。
【ネクタイ】P218
百貨店のある店舗ではネクタイの売上がいつも悪かった。品揃えを見直したり、流行の柄を仕入れたりと改善を試みたがウマく行かなかったという。その地域ではネクタイをしない人が多いのかとも考えたが、街を歩く人を見る限りそうでもない。担当者は売り場に張り付いて観察。そこで分かったのは、ネクタイ売り場が靴下売り場と隣合わせとなっており、いつも通路が靴下を買いたい人で溢れていたたため、ネクタイを買いたい人が近づきにくい状況だったという。そこで棚の位置をずらして通路を広げると売上が急激に伸びたという。問題の本質は品揃えではなく売り場の場所だったのである。
【キーエンス】
書中最後に著者のリクルート時代のエピソードがいくつか載っているのがとてもおもしろい。先輩と一緒にキーエンスの採用広告を担当していたというが、彼らは必ず入社した新入社員達にインタビューをしていたという。そこで気づいたのが、それまでは彼らは「キーエンスに入ったら何をしたい」という事を言っていたのが、ある時点から「キーエンスは何をすべきだ」という評論家目線の事を言うようになった事に気がついたという。これを以て、キーエンスが学生から大企業として見られており商社や銀行などを志望する人たちと同じ様な人たちから応募されるようになっているという課題を同社に提案。ベンチャーのようなメッセージを打ち出す事でやる気のある社員を採用する事になりその後のキーエンスの成長を支えたという。
【吉本興業】
難攻不落といわれた吉本興業のエピソードも興味深い。知名度の高い同社はそれまで採用広告にお金を掛けなくても志望者が集まったという。しかし、採用出来た人達というと、元々芸人志望だった若者やテレビ局マスコミが第一志望でそれらを落ちた人たちが集まっていたのが実態だった。吉本はその頃から総合エンターテイメント企業を標榜しており、そのような人材ではその戦略も達成する事は危うい。それを提案にしたため吉本から初の採用広告を受注したという。どちらのエピソードもしっかりと顧客を観察し仮説を立て顧客の成功につながる提案をしているという事である。よくある「ウチのメディアを使えば〇〇人にリーチできます」といった自社視点の鬱陶しい営業は一線を画するものであり、著者の非凡さを感じさせるエピソードである。
マーケティングの本質を理解するための良本である。
Posted by ブクログ
木下さんの会社、北の達人コーポレーションのマーケティング業務マニュアル的な本。決して目新しいことが書かれているわけではない。強いて言えば、ファンダメンタルズという投資家用語でマーケティングや戦略論をWordingしている点が新鮮だった。
本書に記されているわけでは無いが、特に印象的だったのは、木下さんがこの本を出版した目的をPIVOT(Youtube番組)インタビューで「採用のため」と語っていたことだった。引く手数多な優秀な人材に興味を持ってもらうために惜しげもなくノウハウを共有している。まさにオープン・イノベーション。ダルビッシュ投手も同じ視点でYoutubeでノウハウを公開しているのは有名。木下さんが築いてきたスキルを「(これから入社する)あなたの力でより洗練してほしい!」というメッセージに共鳴した人たちが同社の扉を叩くのだろう。新卒でリクルートに入社し、採用広告の現場で一流企業や成長途中の企業の採用担当者らと知恵を絞ってきた経験が生かされている。
北の達人コーポレーションは、北海道新興市場アンビシャスから始まり、東証一部上場まで史上初となる4年連続上場を果たしてきた地方発の有望株だ。大企業の歯車ではなく、自分の力で切り開きたい若者は木下さんの会社の扉を叩くと良いと思う。
Posted by ブクログ
誰に何をどう伝えるか
ターゲットユーザー
商品の伝えるべき特徴
適切な表現方法
買わない選択肢を潰す
四段階セールスコピーで競合排除
ユーザーニーズの9段階分類
商品起点の10段階分類
USPと男女の違いからメインメッセージを導出
ユーザー起点で伝わる広告を作成
メディアの特性を見極める
LPは王道の文章構成フォーム
エモーションリレー
LPは最後まで見られるように工夫をすべき
ランチェスター戦略
KPIから逆算して優先順位を判断する
企業は利益額の最大化が責務
データから傾向を見て人間行動の仮説を立て、
施策の手を打つのがWebマーケッター
入札方式の違いによって理想の形が異なる
最初の一行で全てがわかる
視点のゼロリセットスキル
100万分の1理論
誰に何をが1番大切