あらすじ
デビュー作にして、英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞。英語圏で100万部突破の話題作。
1980年代、英国グラスゴー。“男らしさ"を求める時代に馴染めない少年シャギーにとって、自分を認めてくれる母アグネスの存在は彼の全てだった。アグネスは、エリザベス・テイラー似の美女。誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった。しかし、浮気性の夫がアグネスを捨ててから、彼女は酒に溺れていき、唯一の収入である給付金さえも酒代に費やしてしまう。共に住む姉兄は、母を見限って家を離れていくが、まだ幼いシャギーはひとり必死にアグネスに寄り添い──。
けっして生きる誇りを忘れなかった母子の絆を描く、
デビュー作にして、英米の文学界を席巻したブッカー賞受賞作。
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Posted by ブクログ
世のアルコール依存症に悩む人々に是非読んで欲しい凄い小説。失踪日記(吾妻ひでお)や今夜すべてのバーで(中島らも)に並ぶアル中文学の大傑作。
主人公シャギー・ベインの母はエリザベス・テイラー似の美人。この女が主人公以上に物語の核なんだが、ちょっとしただらしない性格で、そのだらしなさからアルコールに溺れていき依存症となる。
アグネスの周囲の人々がまた本人以上にクズみたいなヤツばかりで、浮気性でハラスメント要素をもつ夫シャグをはじめ、アグネスの酒を助長する連中ばかり。
一度は断酒を決意するアグネス、1年以上も成功した断酒をぶっ潰したのはシャグと同じタクシードライバーのユージーン。多分こいつが作品中一番の大失敗男で、アグネスの周囲にいるクズ連中よりはよほど紳士なのだが、なんで吞ますかなぁ…。他人の努力を悪意なく最悪のタイミングで潰してくる奴っているよねぇ。
シャギーは母のせいで、そして自分の性癖のため、貧困生活やヤングケアラーであることもとんでもなくひどい人生を送りつつも、最後まで母に寄り添っていく。母との離別は可哀そうだが、もうちょっとマシな…せめて飢えず凍えずキチンと睡眠をとれる生活を送って行って欲しい。
しかし、酒はほんま人生狂わせるし、止めようと少しでも考えたことがる人は、はよ止めた方がいい。そして酒を呑まない生き方をしている人に呑ませるような行為は絶対してはいけない。酒だけでなく、人に何かを勧めるという行為には慎重を期した方が良い。
Posted by ブクログ
サンサーラが頭の中でなる小説。
ザ・ノンフィクションを観てるみたい。
読んでいて辛くなる時間が多かった。
一方でアグネスがシャギーを取り返しにシャグのもとに訪れ、ゴミ箱を投げつけるシーンは痛快ですらあった。
アグネスが亡くなるシーンがとても印象的。
絶望の果ては静寂と愛が残った。
自分はこんな人生送りたくないし、自分の娘にもこんな目には合わせたくないが、小説の中では絶望の人生も必死に命の輝きを放っていたように思う。