あらすじ
アメリカが抱える巨悪を暴き、♯MeToo運動に火をつけた歴史的な一冊。
著者ローナン・ファローは本報道にて弱冠30歳でピューリッツァー賞受賞!
「爆発的で強力なジャーナリズム」(ピューリッツァー賞評)
「歴史に残る1冊になることだろう」(エッセイスト・洋書レビュアー 渡辺由佳里氏)
ハリウッドの大御所プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性虐待疑惑を調査するよう上司から命じられた、テレビ局20代記者のローナン・ファロー。女優たちの勇気ある証言を得られたことで、取材にのめり込んでゆく。
が、やがて身の周りにおかしなことが起こり始める。調査の先に浮かび上がってきたのは、メディア界・政界・司法界による”悪の三位一体”だった。暗躍するスパイたち、大統領をも巻き込む国家的スキャンダルへ。
事実は小説よりも奇なりを地で行くようなサスペンス・ドキュメンタリー。
タイム誌、ワシントンポスト、フォーチュン誌、シカゴトリビューン紙
NPR(全米ラジオ)ほか「今年のベスト本」選出。
21世紀を代表する全米ベストセラーが遂に日本上陸!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハーヴェイ・ワインスタインの事件を詳細に描いたノンフィクションである。既に『その名を暴け』があるが、こちらも負けず劣らずの良い出来である。
権力とは、そこの座に座った者とは。何をしても許されるように世界を作り替え、専属のチームまでいてさらに出版社まで協力させていたのは心底ゾッとしたし胸糞が悪くなった。映画ファンの一人として、今後彼が製作に関わった映画を観る時は良い想いはしないだろう。
Posted by ブクログ
#MeToo運動のきっかけとなったと言ってもいい本である。
権力者が金や商売上の力や、非合法な工作まで行って、性的暴行を受けた女性を抑え込み、更には貶めるなどやりたい放題であった事が分かる。
大昔の、こう言ったことに寛容であった時代の話かと思ったが、つい最近まで行われていたと知り驚いた。
マスコミまで、この隠蔽に加担していたとは、驚くばかりだ。資本の論理で、資本家に乗っ取られたり、利益至上主義になっていることの影響が出ている。
日本でもおそらく同じような話があるんだろうなと、感じるが、何故かあまり報道されていない。
Posted by ブクログ
長い、長いけど、読み始めたら止まらない。思っていた内容とは全然違うコンゲーム、スパイ合戦。でも最後にそのスパイに好感を持ってしまう。NBCが報道を潰したことで結果的にこの本がベストセラーになっているから皮肉だ。本当にこんなことがあるんだな、事実は小説より奇なりだななどと感心している場合ではない。ボーイズクラブによって現実世界が捻じ曲げられているのは日本も同じ。むしろ、こうして証拠の握り潰しがちゃんとスキャンダルになったアメリカの方がまだ正常な方向に向かっていると思う。女性が声を上げ歪みをなくしていこうとするときに立ちはだかるバイアスやレッテルや抑圧を、これほどまでかと痛感させられる。アレンの息子でスーパーエリート男性というローナンだからこそここまで捨て身の報道ができたというのは間違いないので、やはり力というのはこういう風に使わないといけないと思う。日本もたとえば望月衣朔子さんがやっているのと同じことをエリート男性がやれば全然風当たりが違うはず。あとアメリカでは弁護士が報道の細部までチェックしていて(それが握り潰しの一端を担うこともあるが)、こういう活用の仕方があるよなと思った。
Posted by ブクログ
ハーヴェイワインスタインのセクハラレイプへの抗議の声をまとめるだけでも大変なのに、NBCからの裏切り工作にあって苦闘する様子が臨場感持って描かれている。
途中からスパイ映画もどきの展開で誰も彼もが敵のようだった。
Posted by ブクログ
権力者の男性による女性搾取の実像を書したドキュメンタリー本です。本来は、そのような暴力を暴く役割のはずの報道機関もそれを黙認していた事実も明らかにしています。
自由の国といわれ、日本に比べればはるかに女性の社会的地位が高いと言われるアメリカでも、このようなことが行われていることは残念です。
日本の映画界においても同様なことが行われていたことが、最近、明らかにされています。
このような状況が、この本の作者のようなまっとうなジャーナリスト、われわれ第三者の目や発言で、すこしでも改善されていくことを望みます。
Posted by ブクログ
ハリウッドの大御所プロデューサーとして長年業界に君臨する一方、その強力な立場を利用して女性への性的暴行を繰り返してきたハーヴェイ・ワインスタインの告発とその後の「Me Too ムーブメント」に繋がる調査報道でピューリッツァー賞を受賞した著者が、報道に至る経緯を克明に記した一冊。
長年にわたって多くの女性被害者が口を封じられ、業界関係者も見て見ぬふりをしてきたワインスタインの強大な権力に立ち向かう中で、著者は過去に報道を試みて失敗したジャーナリストや、告発を諦めざるを得なかった複数の被害者を味方につけ、慎重かつ執拗な調査で遂に決定的な証拠を掴むが、実際の報道に至るまでにはさらに想像を絶するような困難が立ちはだかる。そのような中でも報道にこぎつける著者の思いを支えたのは、父親であるウディ・アレンから性的虐待を受けた姉を守ることができなかったという贖罪の念もあったに違いない。
取材時に所属していたNBCでの報道が叶わず、それでもニューヨーカー誌からの報道にこぎつけるまでの道程は、ハリウッドやメディア業界がいかに「男性社会」としての堅牢な”加害者を守る”構造を維持しているか、またそれを打破するのがいかに困難かを如実に示しているが、これをハリウッドだけの特殊事情として片付けることも決して許されない。このサスペンス映画さながらの迫真のドキュメンタリーが映画化されることがあれば、ハリウッドが本当に変わったと言えるのかもしれない。