【感想・ネタバレ】さっきまでは薔薇だったぼくのレビュー

あらすじ

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斬新な日本語が心に沁みる感動的な最新詩集。

それぞれの詩のタイトルが、すでに「詩」になっているようだ。――「冬の薔薇」「指」「惑星」「生理詩」「猫戦争」「才能」「飛ぶ教室」「ぼくたちの屍」「無人駅」「春の薔薇」など全43篇収録。
以下、少しだけご紹介――
《恋が恋だという確証はどこにもないまま/死体になっても手を繋いでいたらその愛は本当って信じている人のため/死体の手を結びつける仕事をしている 本当の死神の仕事》――(「恋は無駄死に」から一部引用)
《「春の、川の上に、光を凍らせて、削ってできた粒を撒いていく仕事をしています、/あなたたちがきれいだと言うのは私が嘘をついているから。》――(「me & you」から一部引用)
最後に、「激流」という短い詩を全篇。
《死を逃れ逃れ、命を、泳ぎ切って残るは/無数の誰かの手の跡ではなく無数の桜のはなびらで//一度も好きでなかった花に囲まれて死ぬ/一度も好きでなかった花に囲まれて死ぬ//「故人は優しい人でした」/私の好きな色は白でも黒でもない/でも冬は好きでした/誰も話を聞いていない/私だけが知っている桜の木々よ さようなら》――(「激流」)

詩という言葉の連なりが、言葉にできない部分まで伝わる、いや、確かに私たちに届く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

谷川さんの詩は平易な言葉で行間を味わうようだなと感じることが多いけど、最果さんの詩は静かなんだけど乾いてたり傷ついてたり、あるいはぐじゅぐじゅして萎んでる心の隙間を埋める、というよりはぱてぱてと詰めるという感じが自分はする。
そうやって沁みる人も多いことはわかるし、多分自分が10代20代なら共感しかなかったと思う。けど、ミドルというかもはやシニア寄りの自分からするともう痛々しくて仕方ない感じがすごくて、時たま息が詰まりそうです。でも読んじゃうんですけどね。通ってきた道を懐かしむように。必要な人にはとても必要な言葉の集まりだと思います。
「商業主義」「部屋は氷」が自分は好きです。

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2022年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p21
me and you

愛しているぜって言ってる人の、視界に入りたい。

p39
裸足

優しそうな人はみんな瀕死なんですよ 最後の力を振り絞り 家に帰るとみんな死んでしまうんです

p44
才能

才能がある、という言葉を一度でも聴いたら、簡単には死ねない体になり、ぼくはいつまでも街に試され続ける体になる。




簡単に、それも軽々しく好き、といえない複雑さを抱いている。どうしてかはわからない。句読点のリズムやシグネーチャーと言っても良いくらいの文体。は割とどうでもよくて、不意にぶっ刺さるものがあって、痛快だし、不思議。

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2024年09月29日

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