あらすじ
テレビ番組の人気レポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする〈未来科学研究所〉を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが……。どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー、待望の文庫化! (解説 香山二三郎)
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Posted by ブクログ
乾くるみさんの本を久しぶりに読んだけど、とても面白かった。
相変わらず、1冊の中でどんでん返しというか、伏線を意外な形で回収するのが上手でした。
ネタバレマーク付けてるとは言え、さすがに真相は書きませんが、
序盤のアリサのシーンは何が起きるのかワクワクしながら読めて、
後半のアリサのシーンはこれどうなんのよ、と次に読み進めたくなる感じでした。
また別の作品も読みたいと思いました。
Posted by ブクログ
未来の日本は少し楽しそうですごく生きづらそうだなあと思った
化学の発展は悪い事だと思わない
ただ使い方を間違えたらダメだなと思った
すごく面白い展開だった
Posted by ブクログ
これはやばい!語りても貫井要美(乾くるみのアナグラム)。ありさは2人いて、途中からわからなくなったけど(話飛びすぎてアメリカとか行くし)まさかの訳わからない方が本物のありさとは。自分もタイムスリップした気分になって楽しかった!30年後かあ~、アリサって書かれてた意味がよくわかりました。オチをまとめると「2036年なう」です。説明へたくそだけどこれは本当に好きな作品。
Posted by ブクログ
今回もありました。しかも今回はSFならではの究極の方法で。
コールドスリープではないけど、『目が覚めたら突然知らない場所で点滴を受けていた。』のような記憶がある人は多いのではないでしょうか?自分も交通事故でその経験をしました。そのときの混乱は結構なもので、手術室に寝かされ血まみれになったTシャツを裁断している一瞬しか覚えていませんでした、、目が覚ますのが、もし30年後だったらと考えるとちょっとぞっとします。
本題の「スリープ」の主人公、亜里沙はコールスリープされているので、その間の成長はストップしているので30年後にタイムスリップした形となる。そこででてくるのがなぜコールドスリープされてしまったのか?その30年間になぜ社会的に抹殺されてしまったのか?いろいろな疑問が発生しては原因が明かされていく。
そんな中で、もう一人の亜里沙がヒッピー村で生活していた。コールドスリープされていた亜里沙はカタカナ表記のアリサになっている。もしやこれは!!しかし記憶は両方とも亜里沙の物。混乱のまま最終章へ。そこですべてが明らかに。
近未来世界もよく描けていて、技術的観点から読んでも抜群に面白いです。
コールドスリープ 第1号が誰なのかわわからなかったのが心残りですが・・・
Posted by ブクログ
そういう仕掛けか〜〜!!少し小難しくて不穏な導入から、ある程度予想通りの展開へと続いたかと思ったら、途中急によく分からない展開に振り回されるけど、最後に全てがつながり思わず唸らされた。
内容を理解して振り返ると、漢字表記とカナ表記で2人を区別して書いてあることに気づいた。とっても面白かった。
Posted by ブクログ
生徒がオススメと言っていたので、読んでみた。冷凍睡眠の倫理的是非。1番被害者であるアリサの葛藤が苦しかった。最後は、そういうことだったのかとやられてしまったが、1番のカプセルに入ってたのは結局誰だったのかがめちゃくちゃ気になる。
Posted by ブクログ
冷凍睡眠してしまった天才美少女という一見ラノベチックな稚拙なテーマで、途中も夢オチかよと思って、途中で読むの辞めようかと思ったけど、最後まで読んで良かった。軽く読み直すと、目覚めた後に、襲われる場面で「戸松に命を与えられて」というところが伏線になっていて凄いなと思った。最後の数ページのためにそれまでの全ページが存在してるという感じだった。残念なのはそれまでのストーリーが少し退屈に感じてしまうところ。どうしても未来の描写が稚拙に感じてしまい、リアリティを感じることができなかった。五十頁程度の短編で読みたかった。
Posted by ブクログ
再読本だったけど、内容もすっかり忘れていたのですっかり騙されました。
それにしても面白かった。
序盤から中盤にかけては『冷凍睡眠装置』によるタイムスリップ物に恋愛を絡めた比較的ありがちな物語かな?と思いながら(多少、まったりしながら)読んでいたけど、9章の読み初めから感じた「なぬっ!」からは一気読み。
「行き過ぎた科学」は登場人物達に深い傷を与えるけど、現実的には多くの人達が待望するものでもあるはず。
考えさせられました。
Posted by ブクログ
イニシエーションラブの衝撃が忘れられず、時々読んでみたくなる乾作品。
もっと未来と現代を行ったり来たりするような内容を、なぜか自分で想像していたので、ちょっと肩透かし気味な感じはした。その状態で、途中で複数の展開を見せるので、「お?夢?どっちが?」みたいな罠に見事にはまり、最後に「へー、そういうことか」とやっぱり驚く。
冷凍睡眠とか、科学が行き過ぎとか、いろいろあるよね。でも、そうだなぁ、なんかあんまりドキドキ感とかが無かったかな。
期待値が高かっただけに、ちょっと厳しめで★3つだな。
Posted by ブクログ
SFミステリー
どちらかと言うと深みはないので(笑)、ライトノベル的な感じ。大エンターテイメントといった感じでもありません(笑)
登場人物がなんとも感情移入できないからかな...
ストーリとしては、
TV番組の人気リポーターの中学生の亜里沙はつくば市の冷凍睡眠装置の取材中、冷凍睡眠状態に...
30年後、目覚めたアリサは自分を覚醒させた戸松と逃避行へ。
戸松は、30年前、やはりリポーターをやっていて、亜里沙のことをずっと思い続けていた人物。
戸松とアリサを追跡する追っ手から無事二人は逃げ切れるのか?
一方で、アリサの復活は、実は技術的に足りていないところがあったのか、徐々に健康状態が悪くなっていきます。
全てを捨てた戸松、二人は結ばれちゃうの?
30年間の間に発達した科学も解説されていて、いろいろ合点がいくところもありますが、どうもストーリ展開が...
んで、これは恋愛ストーリーで終わるのかと思いきや、もう一人の亜里沙がアメリカで自然主義の地域の中で生活していました。
アリサと亜里沙?
なにが、どうつながるの?っと思っていると、最終章で真相が明らかになります。
この真相がかなりいまいち....
ということで、奇抜な設定、驚天動地の結末と帯にありますが、これまた仕掛けはいいけれど、ストーリに厚みが無くて残念。
Posted by ブクログ
IQ140を誇る、美少女は羽鳥亜里沙は、中学生ながら科学番組のレポーターを勤める。
番組の取材でつくばの冷凍睡眠を研究する館を訪れたところから彼女の未来は大きく変わる。
アリサが次に目覚めたのは30年後の未来だった。
バックトゥザフューチャーみたいな、未来世界があると思いきや、30年後での未来の世界は少ない紹介で終わったのが残念。
途中から2つの世界が並行で進むことと、亜里沙の表記が変わったので、伏線はよく読めました。
アリサの結末が浮かばれない感じだった。
Posted by ブクログ
「セカンド・ラブ」が「イニシエーション・ラブ」の後継的位置づけの作品だとすれば,本作,「スリープ」は「リピート」の後継的作品。SF的な味付けをしたサスペンス的な作品である。
羽鳥亜里沙という14歳の美少女をめぐる物語。冷凍睡眠状態になった亜里沙を目覚めさせ,生き延びさせようとしている戸松鋭二という図式の物語と見せかけ,真相は,大人になった羽鳥亜里沙を愛することができなかった戸松鋭二が,冷凍睡眠をしていた女性アーティストの体を利用して,羽鳥亜里沙のコピーを作り出していたというオチ
話づくりは,さすが乾くるみと思わせるうまさで,30年後の未来の描写などもよくできている。
戸松鋭二が,羽鳥亜里沙に対し,純愛に徹し,地位も名誉もすてた存在…と思わせ,全くの別人から14歳の羽鳥亜里沙を作り出した悪魔のような存在に一転してしまう意外性は見事。話の盛り上げ方も見事だが,乾くるみらしい人間のえぐさはあまりでていない。なんとも言えない読後感は健在なのだが…。面白いことは面白いが,乾くるみとしては,そこそこのデキかな。トータルでは★3で。