あらすじ
「ゆるやかなつながり」がまちの未来を変えていく
近くに暮らす人たちの関係性を育むことで、まちの課題を解決する。都市部におけるコミュニティ開発の新たな思想とメソッドを、実践例を交えて紹介。まちづくりや都市開発、エリアマネジメント、団地再生に携わる人はもちろん、自治会や商店会、マンション管理組合の関係者、そして自分の住むまちを良くしたいすべての人のための一冊。
第1章 なぜ「ネイバーフッド」が重要なのか
第2章 ネイバーフッドデザインとは何か
第3章 未来とゴールのデザイン
第4章 機会のデザイン
第5章 主体性のデザイン
第6章 場所のデザイン
第7章 見識のデザイン
第8章 仕組みのデザイン
第9章 人と和のために、これからも
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Posted by ブクログ
本書は、HITOTOWA社がまちづくりや集合住宅で続けてきたネイバーフッドデザインという取組の軌跡をまとめたもの。同じまちに暮らす人々が困った時に助け合えるような関係性を築くその過程が紹介されている。
Posted by ブクログ
コミュニティについて改めて考えてみたいと思い読書
本質的で大事なことが多く述べられている良著。
ネイバーフッドデザイン、地域コミュニティの教科書なのではないか。
メモ
・同じ街に暮らす人々が、いざと言う時に助けあえるような関係性と仕組みを作ること。これがネイバーフットデザインの定義。
・共助の必要性が高まっている時代。流動性の高い社会で、コミュニティーのハブが求められている。ネイバーフットデザインを通して、育まれる人々のつながりが課題の現場と行政やNPO等をつなぐハブになれるはず。
・ネイバーフットデザインは、近くで暮らした人の間にゆるやかなつながりを作ること。
・近所の人とのつながりは、孤立の帽子や災害時の助け合い、子供や高齢者の見守りなどに役立ち、安心安全に心地よい暮らしをもたらす。
・今日ではオンラインツールも活用しながら近所のつながりを作ることができる。
・ネイバーフッドデザインがもたらす4つの価値
景観施設の保全、賑わいが生まれる、趣味学びの充実、困りごとや課題の解決。
・目指すのは、自然と関わりたくなる状態。しがらみではない。
☆未来とゴール、機会、主体性、場所、見識、仕組み、6つの要素のデザイン。
☆まず未来とゴール、次に、機会、主体性、場所、見識、次に仕組み。
・人々のつながりは目的ではなく手段
・まちの未来像をイメージする プロジェクト全体のゴールをイメージする
・まちの空気に触れる。
・少人数で対話する。
・ヒアリングを繰り返し、対話を重ねる中で信頼関係も育まれていく。
・もっとこうなったらいいなあの先に見えてくるもの。
パズルは無理に組み合わせるものではなく、人を手段かしてはならない。
自然と組み合わさるまで検討を繰り返す
・多様な機会を適切に組み合わせる。イベントだけでなく、日常の接し方も同じくらい重要な機会。対面のみならず、オンラインも機会
・プロジェクト全体を俯瞰して段階的につながりを育んでいく。
ウェルカムパーティ コミュニティアート、インテリアDIY、手作りWS、
ハロウィンパーティ、サークルづくりなど
・手段や場づくりでなく、機会。大事なチャンスであるということ。
・消費的、瞬間的でなく、創造的、持続的な機会を。
・人を束で見ない、肩書きで見ない。一人一人のパーソナリティに着目する。
・多様な主体性の形がある。もう一歩、もう半歩の距離が縮めやすくなるようアシストする。それなら自分にもできそうと思ってもらうことでちょうどよいもう一歩を踏み出すことにつながる。対話を通じてまちとの接点を言語化する。一人一人の関わり続けている理由をしっかり聞く。
まちへの課題の共感意識は主体性の連鎖を生む。
・人の気持ち行動は場所や空間によって大きく変化する。
場所から考えない。ゴールやコンセプトから一貫して考えていく。
友人管理へ。会話のきっかけを意識的にちりばめる。個性を場所に反映する。
同じゴールに向かって対話をくりかえす。人々の声をハード面や運営に反映していくことが大事。
・見識のデザイン。知識や気づきをもとに主体的に考え、行動できる力も含めて高めていくことが大切。まずは気付けるように知識を持つことは非常に大切。
体験を通して単なる知識を自分ごと化するのがポイント
体験や追体験の機会を用意する。体験を通した本質的な理解は課題の解決に向けた行動を生む原動力になる。
意外性のある楽しさを設計する。課題解決✖️楽しさ✖️意外性
・全てを統合する重要な位置付けにあるのが仕組みのデザイン。コミュニティ経年良化していくための持続化基盤となるのが仕組み。協働、財源、組織の三つがある。
単なる意地ではなく、投資して、よりよいものにつなげていけるように。
空間活用をいかに財源かできるかが非常に重要。組織は一貫性を持つこと。
・
Posted by ブクログ
まち活第二回で紹介された本。
目次からして良書(の予感)。
why、what、howの順に構成されている、
howの中のつながりも整理されていて、
きれいな論理構造になっている。
中身も難しい言葉を使わずに
パーツパーツも論理的なので、
とーーっても分かりやすい。
欲をいえば、もう少しコンパクトだったら
より多くのひとに読んでもらえると思う。
まちづくりに興味のあるひと全員に
オススメできる本。
Posted by ブクログ
途中までは良かったけど、後ろの方はやや冗長に感じてしまい、途中で脱落。
お互いを尊重しながら、まず一歩踏み出す、踏み出させる仕掛けをどう作っていくかの大切さが書かれてるのかなと思う。
Posted by ブクログ
【地縁をデザインする】
地域の顔見知りのつながりをもとにした共助によって、社会課題を解決していく方法や事例を紹介。
近くに住んでいたり生活圏を共有している、ネイバーフッドに、一つの可能性があるという。
友人が徒歩圏内にいる暮らしが、このネイバーフッド・デザインが描いてきた未来像の一つ、とのこと。
・・
海外に暮らしていると大学生活も含め、徒歩圏内の暮らし、みたいなのが割とあったけれど、日本に帰るとみんな遠くから出勤したりしていて、距離感が全然違うなーと思ったりする。
日本の都市は規模が大きかったりするのか、それぞれに生活圏があって、逆に職場の人とかとお店であうのっは気が引ける、みたいなことも聞く。
みんなが顔見知りの範囲のコミュニティっていうのはなかなか難しいところもあるだろうけれど、
いろんな形でいろんな輪の中で何かし裸周りの人とかかわりを持てる暮らし方は温かいなーと思ったり、
住んでいる地域を共有してる感じって、やっぱいいなーと、読みながら思ったり。
必要になったらつながれる場があること。
いろいろと方法論的な部分も書かれていたけれど、いくつか印象に残ったことは、
ネイバーフッドデザインでは外部の専門家やサービスも柔軟に取り入れる
助ける・助けられるなどの対立関係ではなく、皆が同じ方向を見る関係性
人を手段化しない、人を束で見ない
組織ありきにならない、人が主であり、組織が従
自分たちで生活を作る、という創造的な楽しみ…
市場利益を追求する民間企業、資本主義社会の中で、これはある種の理想像に聴こえがちなのだけれど、
著者は、デベロッパー会社で働いていた経験もあり、
その後、株式会社 HITOTOWAを立ち上げ、
これまで様々な地域の共助のしくみをサポートしてきたとのこと。
具体的にどうやって利害関係を一致させるのか、どこまで持続可能なのか、
そんなところに、著者や著者の会社のようなネイバーフッド・デザイナーの働きがあるのかなと思う。
有給社員、無給社員、学生、そして地域のメンバーの主体的な活動…
生活作りには、お金以外の大事な価値があるのだろうと思う。その価値を関わる人たち自らが生み出しながら感じられることが一つのカギだと思う。
日本は本当に年に人が集中していて、顔見知りとなると一つのマンションだけでも無理じゃん、と思ってしまうけれど、…
かかわり方も多様に、しがらみではない開かれた地縁が理想なのかなと思う。