あらすじ
「懲役太郎チャンネル」40万人&「裏社会ジャーニー」70万人
YouTube登録者数110万人超えの2人が対談。
現代日本では表と裏との境界が曖昧になり、犯罪の魔の手はあちこちから忍び寄っている。しかし、裏の世界の実情について、一般からうかがい知ることは困難だろう。
本書では、裏社会情報の発信者として注目を集める2名による対談を行った。身を守るためにも「常識」として知っておきたい、裏社会のさまざまな事情を詳細に解説。
ヤクザや半グレとは何か? どのような活動を行っているのか? どこに危険が潜んでいるのか? 警察や刑務所の内情は?
豊富な経験から語られる真実がここにある!
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Posted by ブクログ
「常識として知っておきたい」というタイトルは本書の関係者の感覚です。
わたしが非常識なだけなのかもしれませんが、裏社会的な育ち方働き方生き方をしていくことと、していけることこそが、常識として普通の一般的な当たり前の中流階級の日本人にも必要なことでもあるかのような。
わたし個人の実体験からは、ヤンキー、不良系はどこからどう考えてもみても、人にやたらと、例えどんなに粗探しをしてまでも、無理矢理といちゃもんをつけてくるとても他人迷惑な連中でしかなかったです。
ですのでそうした姿勢、心構えで生きていく必要があるのかもしれませんが。
自分自身には実生活では無縁の、別世界の人たちのお話でした。
ただ現実の話ですし、実際に今までに日本社会で同時進行であった事実であることは分かります。
こうした人たちがいろんなことをやってきたんだろうなとか思わざるを得ませんでした。
いろいろな意味でこうした過去がありながら現代では、”普通の子”たちが”闇バイト”をやっている前代未聞の時代にいます。
外国人犯罪のことを言えば、わたし自身も職場で当り前に、東アジア、東南アジア、ミャンマー?スリランカ?ネパール?バングラディシュ?パキスタン?黒人系の顔立ちの人たちと一緒にしごとをしたり、利用するコンビニ飲食店でも外国人が働いていることは当たり前です。
一様に礼儀正しい人達ばかりですが、そうした人たちもやっぱり犯罪をしていくようになる可能性が高いのかなとか考えてしまいました。
はじめに
・かってははっきり存在していた裏社会と表社会の境界線が消失し、両者が渾然一体となったことを実感する
・表社会と裏社会は、不可分なほどに混じり合い、もはや垣根を見つけることができない時代になった
・身を守るためには相応の「知識」が必要になってくる
・「これからの治安はどうなりますか?」
・「悪くなると思います。生き残れるだけの知恵と力を身につけましょう」
第一章 常識として知っておきたいヤクザ
・裏社会で生きてきた人間は、自分たちの性質だったり、やってることだったりが「裏」っていう自覚が実はあんまりないんです。
・在日に限らないけど、ヤクザで成功している人は、普通に事業家としても成功できる人なんですよ
・死体運びに病院が利用されている
・人を埋める山やそのための重機を持っている組織もありますね
・すごく手間がかかるから、ヤクザでも山に埋めるパターンは珍しいと思います。それよりも手軽で確実なのは、湿地なんかにある底なし沼に沈めてしまうこと。流砂に飲まれた死体は絶対に出てこないから、実際にかなりの数の死体が沈められていると思います。
あとは、ビルが建つ前の基礎工事の際にコンクリートの下に埋めちゃうとか。産業廃棄物と一緒に燃やしちゃうとか。
・そうしたやり方も、建設会社や産廃業者との連携が必要になるので、組によって得意・不得意があるでしょうね。怖いと思ったのが、病院から出る感染性廃棄物を利用した死体処理の方法です。病院で感染症の人を手術した際に出る血液や臓器を入れる専用の箱があり、そこに死体を入れて燃やしてしまうという。
・白い箱。バイオハザードマークがついている
・感染症廃棄物なんで、仮に職質や検閲で警察に捕まっても、法的に箱を開けることができない。死体運びに、それを利用する。
・病院がヤクザに、いいように利用されているとか、ヤクザとつながっているケースがある。
・白い箱を燃やす工場では、1200℃くらいで燃やすから、確実に死体は葬れますね。
やり取りしていた工場は、かなり小さいところで、さらに経営者が欲張りなヤツで、処理しきれないのに箱を1000個くらいため込んじゃったんですね(笑)。
・あとよく聞くのは、睡眠薬で眠らせて、屋上から落として自殺に見せかけるパターン。
殺し合いって、めくれない(発覚しない)事が多いじゃないですか。警察も面倒くさいから、自殺で処理しちゃう。
・銃は、止まっている的ならまだしも、動いているものに当てるのは難しい。走ってたら構えるのすら無理だし、頭の重心が重くて支えられない。連続でパンパン打つなんて言うのは、映画の世界の話だと思います。
・ヤクザを辞めた人は、やっぱり現場仕事、ペンキ職人、左官、電気工事とかで、うまくいけば親方になったり、トラックの運転手。今は儲からないから厳しいですけど
・銃は、止まっている的ならまだしも、動いているものに当てるのは難しい。走ってたら構えるのすら無理だし、頭の重心が重くて支えられない。連続でパンパン打つなんて言うのは、映画の世界の話だと思います。
・ヤクザを辞めた人は、やっぱり現場仕事、ペンキ職人、左官、電気工事とかで、うまくいけば親方になったり、トラックの運転手。今は儲からないから厳しいですけど
第二章 常識として知っておきたい半グレと外国人マフィア
・半グレは狙いを個人に定めた。オレオレ詐欺、点検詐欺にしても、被害者は普通のおじいちゃんやおばあちゃんです。
・半グレは愚連隊よりひどいと思います。クラブ活動のノリなので。
・この頃の子たちが、AVとかスカウト、出会い系サイトとかのビジネスを確立したんじゃないのかな。
・半グレの内ゲバはすごい。詐欺の金で揉めて殺されたり、半グレが叩き(強盗)に入られるのは、多分犯人は身内
・スカウトにしたってホストにしたって、昔は下っ端のヤクザの仕事だった。今でも、ホストなんて暴力使わないヤクザみたいなもんじゃないですか。
・今のベトナム人の子たちがこうなることは、何となく予想してました。
・実際に知り合いだったベトナム人で、関西にマリファナのものすごい広大な農場を持ってる人がいるんです。
・手引きしたのは、かってベトナム難民だった人たち。40年くらい前に初めて日本にやってきて、在留許可をもらって、どんどんコミュニティを拡大している。
・言い方は悪いけど、昔は、日本人がフィリピン人やイラン人を犯罪に使っていたんですよ。今は、ベトナム人がベトナム人を使う時代だから、やり方がわからないし、不気味ですよね。
・まさに今問題になっている家畜の盗難なんかも、あの凶暴性にはちょっと勝てないなって思います。
・技能実習生制度は、犯罪を行うようになる選択肢しかない状況になっていく構造的に問題がある。国も制度は作ったものの、そこまで手が回っていない。
・外国人が本気で犯罪をやりだすと、日本人なんか無抵抗に近いですよ。
・生きるか死ぬかというところまで追い詰められたら、日本人の倫理観なんて彼らにとってはなんの意味もなさないですね。
・昔、渋谷や新宿によくいたイラン人の売人たちは、、実は彼らは母国ではエリートだった人が多い。
軍人やパイロット、ウェイトリフティングの代表選手とか。
自主的な亡命みたいに、日本に来たら、自分が持っているスキルを使えると思ってたけど、結局犯罪みたいなものしかありつけなかった。だから辛かったって。
・エリートが他国で麻薬や偽造テレカを売るのは、ちょっと悲しいですね。
・彼らはまずある程度の収入を得て、料理的なレストランを経営し、日本人の彼女を作って、子供を産ませる。要は、日本に経済戦争を仕掛けているわけですよ。
・生存をかけた戦争。アフリカ系もそういう人が多いですね。
日本に何しにきたの?って聞いたら、「おばさん見つけにきた」と答えたナイジェリア人がいました。口が悪い。
・川を渡ったら東京という千葉県の行徳に住んでいて、何をやっているのかといえば怪しげな洋服屋やバーで働きながら、色恋に騙される日本人の中年女性を探している。
首尾よく子供ができたら、身なりをよくして、次は若い子と遊びたいと。
そのナイジェリア人の目標は、日本人のおばさんと子どもをつくって日本人になって、日本人の若い彼女をつくることらしいです。
・さらに、出資してもらって小商売ができればパーフェクトです。
・まとまった金ができたら、日本製のタイヤなんかをトレーラいっぱいにして、母国に送るんです。
それで金を購入して、様々なやり方で金密輸をしてさらに稼ごうという。商魂たくましいですよ。
・ナイジェリアは麻薬や金などの密輸ビジネスが盛んですね。
今は下火になっていますが、表の業としてタイヤ販売会社などを経営していれば、いろいろとやり方はありそうですよね。
・ブラジル人マフィアなんかは、個が強すぎて組織化できないっていう特徴があります。
彼らケンカはものすごく強いんですよ。熱くなり方がハンパじゃないんで。
でも、ブラジル人同士で仲良くできないから、組織としてはあまり脅威じゃない。
・昔、刑務所で3人のブラジル人と一緒になったんですけど、3人ともお互いの罵り合いがすごくて。日本人の感覚だと、なんとなく助け合おうとする、そういう、持ちつ持たれつ的な、互助会的な感覚が、彼らには全くないんですよね。
・国籍を問わず外国人マフィアは自国の料理店を拠点にしていることが多いのですが、あるネパール料理店が薬物の売買の拠点になっているという情報があり、著者が出向いて話を聞こうとしたら、ネパール人マフィアに、いきなりでっかいハンマーを頭に振り下ろされました。幸い当たらなかったけど、壁に穴があいた。
・やり方がめちゃくちゃ。
ハンマー振り下ろしたのは、リーダー格の子だったらしい。普通リーダーはそんなことしない。道具使って脅すのは子分の役割で。そこまで尖らないとやっていけない。そのくらいの新興勢力。
・逆にヤクザとつながりが深い外国人マフィアは、やっぱりフィリピン。
薬物も密造銃もメッカ。
・なんでヤクザはフィリピン人マフィアとつながりが深いか。
やっぱり、入り口は女性関係。そこでパイプができて、じゃあ1回フィリピンにいってみるかってことになって、向こうで投資したりする。向こうでうまくいく人はあんまりいないんですけど。
・フィリピンを「日本より下」みたいに見てる人が多いんだけど、向こうの金持ちは日本の金持ちよりはるかにレベルが上だし、軍部も警察も強い。舐めていったらすぐやられちゃいます。
・ヤクザがフィリピン人と知り合うのは、もちろんやっぱりフィリピンパブ。
・今はタレントピザが出なくなってフィリピンパブで働いている女性は高齢化しています。何度か行ったことがありますけど、すごい空間でした。
・以前の日本は外国人だらけでしたよね。コンビニも寿司屋も工場も、都心も田舎も地方都市も、外国人がいなかったら成り立たない。
母体が増えれば増えるほど組織の中で犯罪をする外国人が増える。これはもう日本のヤクザじゃどうしようもないですよ。
第三章 闇バイト
・そもそも闇バイトが流行った背景には、匿名性の高いツールをみんなが使えるようになったから。
通話アプリSNSを使えば誰でも簡単に仕組みを作れるし、ヤクザにケツ持ちを頼む必要もない
・リクルーターがTwitterなどのSNSを使って裏の人材派遣業をしている
・SNSを徘徊しているリクルーター
・偽アカウントはいくらでも作れる。認証済みアカウントを裏で売買するとか
・今の”普通の子”は、昔より圧倒的に効率がいい。SNS をうまく利用して、片手でスマホをいじってるだけで月に数千万っていう大金を稼ぐ。それから発想が新しい。
・掛け子でも年収数千万円
・近年大きく展開している海外箱。
運営と掛け子が海外に遠征して受け子と出し子は国内で動く
・海外でやるメリットは、警察に踏み込まれるリスクが少ないし、逮捕されにくい。携帯は現地のSIMカードを使ってコンビニでチャージするだけだから、証拠も残らない。
・ターゲットのところに、受け子と出し子が現金を取りにいく
・その現場では手品さながらのことが行われています。
・システムとして、実によくできちゃってるんですよね。シナリオも無限大。
・架空請求詐欺とか還付金詐欺とか、年々手口が巧妙になっていますよね
・特殊詐欺は、いまだに年間で300億円の被害があります。
・日本じゃイメージできないことが、海外ではまかり通る。
・舐めてるから自業自得でしかない。
危機管理が甘すぎます。海を渡ったら、法律、政治状況、何もかもが違うわけだから、生きて帰れる保証なんかない。アメリカ行ってやります?イギリスやドイツに箱を構えます?やりませんよね。フィリピンだからうまくいくと思ってる。甘い。
・一方でグループは、もはやヤクザではなく、マニラの政治家や警察、ギャング、入国審査などを買収する。こうすることで現地で捕まるリスクを下げられるし、バイトの子が大使館に逃げ込んだ場合でも、回り道をして防ぐことができる。
・ギャングを使って制裁を与えることもできる
・フィリピンの詐欺グループの人間に「10万円で人を殺せるというのは本当か?」と聞いたら、「そんなに安くないよ、20万円はかかる」という答えが返ってきて、ゾッとしました。
・実際に殺しの現場の動画を送ってきて、道路でスクーターに乗って走っているターゲットを、2人乗りのスクーターが後ろから近づいていき、隣まで来て、頭を銃で撃つ。撃たれた方は即死で、そのままスクーターごと倒れてしまう。ターゲットが持っていたバッグを拾い上げると、後ろに乗っていたほうが、ターゲットのバイクを立て直して、そのまま乗っていった。
極めて短時間で淡々と行われていた。
殺害の証拠を残すために、あえて死体もそのままにしたそうです。
これだと20万円で、死体を隠すなら100万円が相場なんだとか。
・フィリピンは邦人の死亡率が海外で一番高い。
第四章 薬物
・そもそも覚せい剤のルーツは日本。
・他のドラッグは海外発祥なのに、シャブだけは日本。
・結局人間は、過去に経験したもっとも強い快感を上回るか下回るかではんだんしてしまう
・セックスでシャブにはまった人は多い
・覚醒してダウンしてというのを繰り返しているうちに、恐ろしいくらいの時間が過ぎていく。
あっという間に人生が終わっちゃう。
・一万円で飲みに行くよりシャブ打った方が安いから。電話で喋る人もいない。一緒に飲みに行く人もいない。でもシャブとビデオがあれば3日間くらい一人で余裕で過ごせちゃう。シャブは人を孤立させる薬物ですよ。
・覚せい剤の何がイヤかというと、中毒になると明らかに表情が変になるじゃないですか。歪んできたり、下が出たり、人に見せたらいけない顔が出てしまう。
・動作でもそう、目が泳いだり落ち着きがなくなったり、中毒者特有の症状がある。他人にどう見られているかに配慮できなくなったら、薬物に支配されちゃったってことなんでしょうね。
・オウム真理教は、暴力団はもちろん、政治家も絡んでいたと思います。そうじゃなきゃ、あそこまで大胆なことはできない。麻原彰晃その人でいえば、単にペテン師レベルの人ですから。
・大半のドラッグは日本では禁止されています、なぜかといえば、薬物で国が滅びたり、市民の生活がめちゃくちゃになってしまう危険性があるからです。
・非日常のものですから、日常生活と両立させるのは難しいということ
第五章 警察と刑務所
・弁護士は現場のことはあんまりわかっていない
・法廷は他のどんなことよりも緊張します。裁判では自分の人生のすべてが決まるわけですから、あんなに過酷なものはないと思います。簡単に刑期が3年だ4年だとかいうけど、その1年が重いから。
・当り前ですけど、検事はすごい勉強しているし正義感が強い。ヤクザは根絶やしにする、犯罪者は許さないというスタンスだから入っていく余地がない。
・で、彼ら(検事)の言っていることって、やっぱり正しいんだよね。
・社会復帰できるまでは、言わないで耐えられる強さを身につけなきゃいけない
・ちなみに、いちばん簡単に構成する方法は、恋人なり伴侶なりをつくること。それができるかできないかは、その人の人間性次第だから。
・間違いなく、浅ましい考えの人間は、恋人どころか友達すらできないですよ。
第6章 ヤクザと子ども
おわりに
裏社会の話というのは「本音と建前」が付き物です
極めて現実に近い裏社会の情報を伝えました
対談する中で、自分の考えていたことが言葉になって整理されていく感覚がありました
警察が発表する統計上では、ヤクザはどんどん減少しています。辞めた人間は把握できますが、新しく入ってくるものは登録をしていないから把握できない。誰も正しい数が分からないという状況に拍車がかかっています。
これからの裏社会がどうなるかと言えば、より一層グレーな部分が増えて実態把握が難しくなることが一つ、そしてコロナ後に外国人勢力がどんどん進出してきて、既存の日本の組織がさらに弱体化していくことが一つだと思います。
これからの時代を生きていくために必要なものは、柔軟な頭と、情報を吸収する力だと思います。
裏社会や世界に大きな変革があったとしても、時代に合わせて変化できるものは生き残ることができます。