Posted by ブクログ
2022年05月13日
自分が生きている世界だけが世界ではない。
世界の広さを知り、確かな目利き力と保身力、受容力を身に付ける。
見てはいけない、関わってはいけないといわれてきた世界を覗き見るのは、自尊心と好奇心に溢れた自分の中の少年心が奮わされる。
多様性が"偏重"される今の時代は、隣を見れば全...続きを読むく違う価値観を持つ人がいて、色んな基準が曖昧になっている。そんな時代で生きるには、すぐそばに潜む悪事に飲み込まれない目利き力が大切だと思う。さもなくば知らぬ間に手を汚していたなんてことになりかねない。
そもそも裏社会というけど、俯瞰すれば表か裏かなんて誰もわからない。
同じように信仰して同じように考え方があって同じように家族や仲間がいるのだから、表裏ではなく同一平面上にあるだけかもしれない。
国が違うだけ、のように。
だからこの本の中にある、『裏社会にいる人たちは自分たちが裏という実感はない』という証言にも頷ける。
もちろん裏社会を擁護するつもりはないし犯罪を認める気もないけれど、その世界を知れば知るほどいわゆる"表"社会、自分が見てる世界と裏社会はとても近いと分かる。視野が狭いって本当に愚かだとも…
裏社会に限らず色んな世界を知ることは色んな人を受け止める、ないし受け入れることでもあるだろうし、自分の考えを広く持つことでもあり、自分を守ることでもあると思う。
だから色んな"世界"を知って色んな生き方の中から自分の生き方を見つけていけたらいいな。
しかし世の中手を出さないと知らないことのあまりに多いことか。
そしてどの世界も賢さは強い。