あらすじ
王家の代筆を許される一級宮廷書記官リットが、少年侍従トウリにせっつかれながらも王家が催す夜会の招待状書きにとりかかっていたところ、ラウル第一王子からの呼び出しを受け、タギ第二王子の婚約者の内偵を命じられる。世間では悪役令嬢なるものが流行っていて、その筆頭がその婚約者らしい。トウリとともに調査に乗り出すリットだったが、友人である近衛騎士団副団長ジンからタギを巡る三角関係の情報を得るも、事態は夜会での大騒動に発展しーー!?
三つ編みの宮廷書記官が事件を優雅に解き明かす宮廷ミステリ、開幕。
感情タグBEST3
リットは政治的文書の清書や招待状の宛名書き・代書などを担当する武官。平民出身だが第一王子のお気に入りで、職場では妬まれもするが気にしない。
事は全て“夢見る住人様の起こす事なり”
第二王子の婚約破棄騒動に悪女騒動、眠らされた姫を起こす策等を解明しつつ友の恋路の後押しもする。
文字を書きつつ謎も解明していくその様はスマートだが、サボりたいと口をつく言葉は笑わせてくれる。侍従とのやり取りも、逃げ出そうとするのを友人に取り押さえられるのも笑う。だから 所々にある生まれ持った事柄からくる悲壮感は、押さえられつつも胸にくる。
Posted by ブクログ
最初ら辺にあった校正もれみたいなところは気になったけど、
世界観は綺麗で情景を想像しやすかったし
チマチマある伏線を見事に回収していくところが良かったなぁ
台詞多めなので、小説読みさんには好き嫌いあると思うけど、映像で思い浮かべながら読んでいく私には読み進めやすかったです。なので、アニメ化して欲しいです!!
Posted by ブクログ
宮廷書記官リットと侍従のトウリ。
二人で宮廷の難問に挑む。
というお話。
王子と下級貴族の恋だったり、王子の立太子と婚約の話だったり、宮廷内の難問に、書記官という政治文章を扱う職務の上で関わりあいにならなければならないリット。
そんな彼は、国王と王妃の前でも膝を折らない、慇懃無礼な青年。
王の姉の子どもという、隠された背景があるからだけど、会話のテンポ優先で物語が進行するために、その『背景』はどれほど秘されていて、どれほどオープンで、どれほど重いのかがわからない。
国王の第一王子が立太子したけれど、その立太子を遅らせるほどのスキャンダル的な存在であるなら、彼の立ち居振る舞いは、秘密の喧伝のようなものではないだろうか?
西洋の王宮や宮廷文化や制度に疎いので、いまいち良くわからない部分がおおく、近衛騎士団のジンや宮廷書記官のミズハなど、キャラは立っているけど、その立ち居振る舞いの意味や重みがわからないので、
『へえー、そう決着がついたのか」
というアッサリとした感慨しか抱けない。受け取り手である私に、その物語の真髄を受け取る資格がないのだ、知っているべき西洋史をおろそかにした怠惰の罪だと言われたら、まさしくその通りなのだけれど、そういったモロモロをしらなくても、宮廷内の権謀術数での立ち回りの意味や重みをしっかりと知らしめてくれる作品も読んでいるだけに、残念だなぁと思ってしまう。
リットにはまだ謎がありそうなので、もう少し彼らの世界を覗いてみようかな。