あらすじ
フィルバード公爵が連れてきた王姉の遺児を名乗る男、ナルキ・フレミア。王位継承権の条件である〈彩色の掟〉通りの金髪、紫の瞳を持つ人物の登場に、周囲が〈噂の三番目(サード)〉かと騒然とするなか、その真贋を鑑定するザイール宮廷医薬師長に暗殺疑惑がかけられる事態が発生。
一級宮廷書記官リットは、少年侍従トウリと友人である近衛騎士団副団長ジンとともに、事態の真相解明へと乗り出すことに——。
三つ編みの宮廷書記官が事件を優雅に解き明かす宮廷ミステリ、第2弾!
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Posted by ブクログ
リットの両親の話が明かされた?
いや、リットの母親と、リットを父親に託した騎士がすでに鬼籍に入っているので、母親の死の真相は闇の中といったところだろうか。
ポンポンと会話が進むので、
「あれ?このセリフは誰?」
と思うことも数回あったけれど、話の流れに支障はないので、まあ、いいかと読み進めた。
リットの父親の暗躍ぶりと、大逆にアッサリと乗ってしまう侯爵と神官には、それでいいのかこの王国と呆れてしまった。
サクサクと話が進むからなのか、進めるためなのか、王家の秘密や陰謀の背景の重たさを、どうにも私は読み取れない。だから、敵さんたちがめちゃくちゃ危ない橋を軽率に渡りすぎだと思ってしまう。脇がガバガバで、よくバレたら一発死刑の計画に飛び込めたなと感心してしまうし、リットが王族である事が秘密なのに、重用しすぎだし中枢に関わらせすぎだし、不敬を許しすぎなんだよな。
だから、よけいと秘密の重みや、陰謀の背景の深さが感じられないのだよ。
私の受け取り方の問題なのだろうけれどね。
「首チョンパ」が頻出しすぎるのも、人間関係が軽くなってしまう原因の一つのような気もする。
父と息子が、なんでそこまで拗れてしまったのか、私にはわからないのだけど、この先に原因が語られることはあるのだろうか?