あらすじ
イノベーションを横取りする企業、
取り逃す企業、連続して起こす企業、
どこが違うのか?
世の中に存在しなかった画期的な発明やサービスを生み出すことは、企業におけるイノベーションの必要条件ではない。それよりも新しい製品サービスを消費者や企業の日々の活動や行動の中に浸透させることこそがイノベーションの本質である。
筆者たちはこれを行動変容と呼ぶが、これこそが企業がイノベーションを起こすためのカギとなる。そのことをみんなに知ってもらいたいという想いが『イノベーションの競争戦略』の執筆の動機となっている。
イノベーションを世の中になかった商品・サービスを生み出すことと考えると、「イノベーションの競争戦略」は奇異に感じるかもしれない。
しかし、イノベーションとはいかに顧客の行動変容に至るかの競争なのだ。顧客の価値観や行動を変え、次世代の社会の常識を創ることで、自らがゲームチェンジャーとして新しい市場やビジネスモデルを創造することができる。競合他社に対する圧倒的な優位性を築くことができるわけだ。
さらに重要なことは、競争戦略の視点をもつことで、イノベーションに対する企業の取り組みが変わることだ。技術革新ではなく顧客の行動を変化させることをゴールとして取り組むのであれば、そのプロセスは一変することになる。イノベーションの競争戦略とは、顧客の行動を引き起こし、市場における優位性を築くことである。本書では、そのメカニズムを明らかにすることにフォーカスを当てる。
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Posted by ブクログ
イノベーション、イノベーションとよく聞くけども、イノベーションって何なのよ?というのが多数の事例とともに明快に分かる一冊。私自身は誤解していたし、捉え方が浅かった。
ただ単に良い物凄いもの新しいものを作り出すことではなく、新しく無くてもすごく無くても人々の行動を変えてしまうものを世の中に浸透させること、それがイノベーションなんだそうだ。
納得。イノベーション成功例として出てくる事例、どれと自分の人生の途中で、ある時から自分の人生に欠かせなくなったものばかり。これこそが、イノベーションなのだと理解できました。
Posted by ブクログ
元BCG内田氏の本。
イノベーションに関する本。
あとは、整理としては確かにフレームで説明はできるが、やや強引さを感じる事例も少なくなかった。
イノベーションの解像度を高めるという意味では良質な一冊。
メモ
・新しい製品サービスを消費者や企業の日々の活動や行動の中に浸透させることこそがイノベーションの本質。
・イノベーショントライアングル
社会構造、心理変化、技術革新をイノベーションのドライバー、その組み合わせがトライアングル
・イノベーションストリーム
トライアングルによりドライバーを捉える
ドライバーを梯子に新たな価値創造
顧客の態度変容
顧客の行動変容
・空飛ぶクルマ、過去は法制度や離着陸の土地や設備といった社会構造に課題があった。今回はクリアできるか。
・zenlyの習慣は斬新だった。
・イノベーションを阻むトラップ
態度変容に繋がらない
技術革新以外のドライバー無視
ドライバーの過大評価
行動変容に繋がらない
新しいが小さな価値
新しい価値だが土俵、要因が違っていた
・後発者が油揚げを攫うパターン
同一市場で先に価値を磨き上げる
別市場に価値を転用する
☆顧客にどのような行動変容を起こしていきたいか
・行動変容から新たなドライバーを見立てて次の価値創造へ
・イノベーションの四つの提言
行動変容にコミットする
イノベーションを見るレンズを変える
事業継続に強くこだわる
自前主義を放棄する
Posted by ブクログ
イノベーションは日本語で技術革新と訳されることから、どうしても最先端のテクノロジーありきのようなイメージを持たれてしまっているが、イノベーションの本質は行動変革であると筆者は主張する。
iPhoneはイノベーティブな製品ではあるが、技術的にはそれほど目新しいものがなかったのは有名な話。
イノベーションは、社会構造、心理変化、技術革新という3つの影響により、新たな価値創造を行い、それによって顧客の態度変容、行動変容へと繋がることを指す。
このうまく時流を捕まえて、実際に顧客の行動変動が起こせるのであれば、必ずしもインベンダーである必要はない。
ただ、日本人はどうしても自らが開発し、それを普及させることを是としている空気感が強く、模倣して後追いすることが苦手。
実際に顧客の行動変容を果たしたものがイノベーターであるということから、インベンダーにこだわらず、イノベーションを起こしていきたい。