あらすじ
十月。秋の工場定期修理が始まり、営業の徳永が製造で研修をすることに。やたらになついてくる徳永をかわしつつクローズドシステムのテストを始めた弘だが、その時起こった機械トラブルを助けたのはなんと定年退職した辻本。弘の色気をいち早く見抜いた油断ならない御大の登場に、危険を察知する前原。二人で招待された社長との会食で、慰安旅行での秘め事をばらしそうになったりと相変わらず危なっかしい弘は案の定、前原と熱いひとときを過ごしたラブホテルを出た直後、偶然出会った辻本にさらわれ彼の自宅へ連れ込まれてしまう。
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辻本さん最高
シリーズ4作目。今回はなんといっても辻本さん(還暦をすぎたいい男)が大活躍してくれてうれしい一冊だった。この人のしゃべり方(言葉遣い)とかふるまいはそんなに好きな感じでもないんだけど、なぜか愛嬌があって憎めなくて許したくなる。この辻本さんが弘に手を出すも、残念ながら未遂に終わってしまった。。。もちろん本作は弘と前原の恋愛話が主軸なのだから、未遂に終わってよいのだけれど、私は辻本さんになし崩しにされる弘が見たかった。。。今までのストーリーの流れや、弘の性格を考えたら、どんなことがあっても弘が辻本さんに流されてしまうはずはないのだけれど、やっぱりそんな弘を私は見たかった。そしてそのことで苦しむ前原を見たかった。かなうはずもない私の妄想が膨らむばかりの一冊となった。今後も辻本さんの活躍を願うばかりだ。
本作で好きだったやり取り:
【その一】弘が前原に対し、自分と前原の立場の違いから、今後も仕事上どうしても君には言えないことが出てくるだろうけれど、それについては許してほしいといい、それを理解する前原。どんなに愛し合っても仕事で馴れ合いたくはないと思う二人。またしても読んでて耳が痛かった。
【その二】弘が前原に対し、自分と前原が男同士で付き合っていることを、前原のお母さんに申し訳なく思うと言い、それに対し前原は、自分は弘の両親に申し訳なくは思わない、ただ生んでくれてありがとうって思う、と答える。前原かっこいいね!
4作目は前原と弘の嫉妬のしあいが楽しく、いいシーンがいろいろあって読んでよかった。