【感想・ネタバレ】許可証をください!のレビュー

あらすじ

中小化学薬品メーカー・喜美津化学の品証部に勤務する阿久津弘は初の四大理系卒のホープとして期待されている身。そんな弘が社命でフォークリフトの免許を取ることに。慣れない乗り物の操作に難儀する中、指導係として遣わされてきたのは製造部の若頭・前原健一郎。弘と同い年であるにもかかわらず同僚からの信頼も厚く、独特の迫力と風格を持ったこの男に、弘はとある出来事がきっかけで苦手意識を持っていたのだが、意外にも前原の方は――。それなりに平和な工場ライフを送っていた弘を襲う前代未聞の“男×男”関係、ガテン系濃密ラブ!

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ネタバレ 購入済み

おもしろかった

シリーズ1作目。仕事に一生懸命な攻めと受けの組み合わせが好きなので本作を読んでみようと思ったのだが、仕事メインの話すぎて、薬品の話なんか出てきたらエロ重視のわたしは読み飛ばしてしまうんではないかと読む前にはちょっと不安もあったけれど、結局は、ほぼほぼ仕事の話でしめられているのに、世の中の理系全般まるでわからない私でも、小難しく感じられた単語も読み飛ばすことなく強くひきこまれて読んでしまった。作品全体に、この社会がいろんな人の仕事で成り立ってるんだなという爽やかさみたいなものが充満してて読んでて気持ちよかったし、尊敬しあえる相手と一緒に仕事できる幸せみたいなものも感じられて、くされリーマンの自分には眩しくて心が洗われた。要所要所で前原(攻め)と弘(受け)がくっつく前のぎりぎりの緊張感みたいなものも感じさせてくれて、自分でも意外なほど夢中で読んだ。エロもちゃんと盛り込まれてて、前原の強引な感じと、弘の迷いながら拒絶しながら結局行為に夢中になってる感じはすごくよかった。それにしてもまだ20代の二人が、今の職場に骨をうずめるような覚悟でいることが新鮮だったというか。自分は最初から転職することしか考えていなかったし、前原が同じ会社に30年後もいるつもりで話をしていること、そしてそれをごく当たり前のことのように考えていることが妙に感慨深かった。 はやく続編読みたいぐらいおもしろかったけど、★4にした理由:前原のセリフが時々BLのあるあるなセリフで私の好みじゃなかったり、弘のあえぐ感じが好みじゃなかったり、最初作品の文体みたいなものに慣れなくてちょっと違和感を感じたりなど非常に些細な理由。文体は読み進めると気にならなくはなった。こういった細かいことがひっかかったけど、お話はとてもおもしろいしとても好きな二人。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずこの作家さんの語り口が不思議。『さてさて皆様』とか『すわ~』とか日頃耳慣れない言葉づかい・・・なんちゅうかちょっと小噺みたいな。でもそのうち慣れます。舞台は化学薬品工場。製造業ですよ。いわゆるガテン系です。うん、一言で言えば地味!で、タイトルの『許可証』とはフォークリフトの許可証です。なんか今までに体験したことのない世界で興味津々。作中にもこのお仕事描写ががっつりあって、なかなかおもしろい。攻ははえぬきの若手ホープの若頭、対する受は工場史上初の理系大卒のキャリアです(刑事でいえばね?脳内が刑事ものに浸食されている)で、まあ恋愛自体はありがちなパターンだと思うんだけど、この受がよくいるインテリクールとかツンデレじゃなくって、仕事はできる男なんだけど、ちょっとドジッ子でたまにすんごいウッカリさんなのがかわいい。攻からしてみると、やっと手に入ったと思ったら、懐くどころかスタコラサッサと逃げていく。でもって追いかけてつかまえると必死に逃げようとする。でもすぐに陥落してグダグダになるっていう全く持って魔性なわけですよ。攻も男気溢れる感じで、なんか微笑ましいカップルだなぁ。これはシリーズもののようなので、しばらくふたりの行く末をみつめていこうと思います。

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2012年06月04日

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