あらすじ
井瀬は電車の中で、駅のホームから何者かに突き落とされて、親友の五味淵と共に死ぬ夢を見た。
隣に乗り合わせた女子高生・紗世は夢の内容を当て、
さらに自分も同じように電車に轢かれた夢を見たことがあると告白する。
電車で見た夢は必ず自分の身に起こると言う紗世の言葉通り、夢は次々と現実になり――。
紗世の制止を振り切り、井瀬は自分たちの死を回避すべく奔走する!
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Posted by ブクログ
最後の伏線回収が怒涛すぎて、一気に読みきってしまった。感情が追い付かなくてしばらく呆けてしまった。久しぶりにぐっとくる本だった...。
疑心暗鬼に陥った主人公と同じく私も途中まで五味渕と粕谷のどちらが正しいかわからなかったな。
死ぬ夢は見方を変えたらまったく違う展開になってて、そういうことかと。オリジナル先輩が自分だったというのにだんだんわかってくるあたりもスピード感情あってざわざわきた。
過去の事件の真相にはゾッとしたな。最初から全部五味渕に仕組まれていたことだったのか。
詐欺片棒を担がされていた中原さんや被害者の坂口さんはこの後どうなったのだろう。
粕谷もこのあと後追いするんだよな...結局わざと刺したことも無駄になるのだろか...
考察するとしたら私はこの物語をハッピーエンドにする。最後に暗闇で見た幻覚はこのあと主人公が紗世と同じく過去に戻って改変された未来であったと。
抗えない運命との戦い
身近な人の善と悪は、日頃の関わりからしっかり分別できるようにしたいと思いました。誰が自分にとって良い影響を与えてくれるのか、この人といたら自分は駄目になるのではないかと改めて考え直すきっかけの作品となりました。
女の子の制服問題、主人公との先輩後輩問題については、物語が進むにつれ勘づいてはいたのですが、若干設定に無理がある気がしてしまいました。
最後まで主人公は、与えられた運命から逃れることができるのか否か、まったく予想がつかなかったので、ドキドキハラハラしながら読めました。
Posted by ブクログ
井瀬は東海道線の電車内で親友の五味淵と一緒に何者かに押されて死ぬ夢を見た
その後見た夢は必ず現実になっていく
電車内で隣あわせになった女子高生紗世から自分が死ぬ夢をみたと告白される
紗世は未来を変えようとすればする程、悲惨な過去となると告げるが、井瀬は死を回避しようと動く
五味淵の友情
粕谷の友情
2つの間で揺れる
本当の真実とは
死を回避することはできるのか
Posted by ブクログ
クライマックスで次々に明らかになる真相。いくつかは予想通りだったけど、いちばん核となる部分はまったく思ってもみなかったことなので、びっくりしたなぁ。2人というか3人の気持ちがね、なんか切ないです。
事件が発覚した後、マスコミで騒がれるんだろうなぁ。真実がねじ曲げられなければいいな。
余談だけど…。この物語の舞台は神奈川を走る東海道本線。辻堂駅が出てくる度にドキドキした(笑)
Posted by ブクログ
電車内で眠った井瀬は、親友の五味渕とともにホームに落下し電車に轢かれて死ぬ夢を見た。次に眠ると小学校の同級生・粕谷をナイフで刺す夢だった。目覚めると見知らぬ女子高生に、電車にぶつかって死ぬ夢を見なかったかと問いかけられ…。
読み始めはなかなか進まなかったが、少し読み進めると勢いよくあっと言う間に読めてしまった。主人公が可哀想で救われない。死ぬ直前に見た夢だけが救いだったのかもしれないが、それにしても…。
電車内や駅でたびたび会う女子高生の正体は誰なのか、一部の終盤辺りで読めてくる。死ぬ夢を見て少しでも変えようとするも何も変わらず、大切な人の未来も悪く変えてしまう。自分が歪めてしまった大切な人の最悪な未来を知った彼女の心中を思うとやりきれない。そして電車に轢かれる人だけが死後の夢で出会うのだとしたら…と考えるとなんだか悲しくなる結末。感染拡大しているようにしか見えない。
Posted by ブクログ
読後の気分が最悪です!最高!!
主人公・井瀬は電車の中で奇妙な夢を見る。駅のホームで何者かとのトラブルのあげく、自分が死ぬ瞬間の夢。同じ電車に乗り合わせていた女子高生・紗世が言うには、その夢はいずれ現実になるらしい。井瀬は果たして誰に殺されたのか……
というお話です。わりとギミックというか、こういうふうなんだろうなぁみたいなのは結構予想がつきやすい内容ですけど文章で引き込んでくれました。めちゃくちゃ読みやすい。
ただ、五味渕が予想以上にゴミでひっくり返っちゃった……親父さんの件はなんとなく予想つきましたけど詐欺が最悪すぎる。いや、学生時代は悪さしてて~みたいなのの時点でコイツ嫌いだわってなってましたけど。なんで人にひどいことした経験を、悔やむどころか昔はやんちゃしてての笑い話で終わらせようとするのか理解に苦しむたちなので……(その点で言えば正直井瀬のこともあんま好かんですけど、これは遠い部分ですが紗世ちゃんにも原因があるのでなんも言えないです……)
>「悪事を働く奴に手加減をする必要はない」
粕谷のこのセリフにしびれました。この人弁護士とか警察官とかになってくれないかな……正義を全うしようとする人間が好きです。正しいことが必ずしも正しいとは言えないのが世の常ですけど、それでもいい方向のものなのは間違いないので。
粕谷にすごく好感を持っているので粕谷が幸せになって欲しいな……無理だろうけども……。