あらすじ
100mだけ誰よりも速ければ、どんな問題も解決する── ◇『チ。-地球の運動について-』の魚豊、“全力疾走”の連載デビュー作!! 「100m走」に魅せられた人間たちの、狂気と情熱の青春譚!!
少年トガシは生まれつき足が速かった。だから、100m走では全国1位だった。「友達」も「居場所」もすべて“それ”で手に入れた。しかし小6の夏、トガシは生まれて初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった、本気の高揚と昂奮を──。100全力疾走。時間にすれば数十秒。だがそこには、人生すべてを懸けるだけの、“熱”があった。
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Posted by ブクログ
映画は気になっていたけれど未視聴。『チ。』でも思ったことだけれど、登場人物たちの熱量がすごい。テーマとしては藤本タツキ『ルックバック』とも被る印象。松本大洋『ピンポン』でもそうなのだけれど、努力型と天才型の対比。あとから来た方に追い抜かされると焦るよねえ。そして体育祭前のいいところで下巻へ。
Posted by ブクログ
■「100mさえ速ければ、すべてを解決できる」という全能感。 足が速いという天賦の才が、教室での居場所や友人関係を担保する唯一の通貨となる小学生コミュニティの絶対のリアリティから始まる。100mというわずか10秒足らずの直線が、世界と自分を繋ぐ唯一の「橋」であるという切実な生存戦略が、物語の序盤から胸を打つ。
■特筆すべきは、安易な友情や精神論を突き放した先にある、乾いた熱量。「100メートル速くてなんかあるの?」、「そんな意味ないこと、いつまでやるの?」という冷笑を認識しながら、それでもなお「今、熱いか」を自らに問い続ける。
どうせみんな死ぬので、会社頑張っても、100メートル頑張っても一緒。なら、熱い方が人生は豊か。
■何者でもない者が、ただ「速さ」という一点においてのみ世界を圧倒しようとする美しき執着。 本作は、のちの『チ。』にも通ずる、既存の価値観から逸脱してでも「個の真理」に殉じようとする人間の覚悟を促す。人生を賭けるに値する何かを渇望する者にこそ響く、鮮烈な一冊。
意味があるのかということ。
ずっと生きていても意味があるのかと考えていた。ただ、それは100mを早く走ることよりももっと根源的なんだから多分あるんだろな。
Posted by ブクログ
100mを速く走る。小学生でもわかる圧倒的に才能だ。
生来の肉体に依る部分が多く、技術で補える部分は少ない。
絶対に勝てない奴がいる。全く届かない背中がある。
それでもなぜ走るのか??
才能にアイデンティティを求め、しがみ付いても振り落とされ、諦める諦められないとグダグダして吹っ切れた先の何か。
真摯に取り組んだものがある人しか辿り付けない境地だろう。
Posted by ブクログ
まじでグロい。えげつないほどリアルな才能の問題を描いてる。情熱、それを冷笑する視点、だけど諦めきれない生々しい人間らしさ。才能のあり方が全然綺麗じゃないしなんか変に冷めてたり変に熱があったりするところがまた人間らしい。メンタリティと才能が合致しないと生きていくことがハードレベルになるんだなと思うと才能があることが呪いになる可能性ありと感じて複雑。でもやっぱ才能あるやつの贅沢な悩み事ではあるけどね。
映画見たけど全然違うね。そりゃ原作好きはキレるわ。まじでどこもかしこも尺のために改悪されてるもん。まあ自分はほぼ初見だったからおもろかったけど。
まだ出てきてないけど世界を舐めろってセリフは自分自身に今一番必要な言葉な気がする。人や物事決めつけてなめられる人間のほうが強いよね、結局。
主観的な世界を信じられる人間は客観的な人間より強い。
あと総じてこの作品に出てくる人間のほとんどが小物的精神観持ってるから才能あるのに自分と刺さるんかなぁと思った。小物ってそれだけ敏感に器が割れないようにリスクとかありもしない不安を深掘りする性質を持ってるし、だからこそ物語としてはこんなに面白いんだと思う。
ただ出てくる登場人物全員好きになれない感じなのが難点。そんなうじうじ考えんなよと思う。あとクソ教師とクソアメフト部のクソ具合でより作品が生々しい嫌さが滲み出てる。人間不信なるわこんなん。