【感想・ネタバレ】夜はおしまいのレビュー

あらすじ

数合わせで出たミスコンの順位は、八人中八位だった。無遠慮に自分の価値を決められた日、琴子は北川に声をかけられる。たいして大事にしてくれない北川でも、誘われると断れないのは、誰かに求められていると安心するからか――。琴子は神父の金井に、信仰の意味を問う。

ミスコンで他者に価値をつけられる女性。お金のために愛人業をしている女性。夫とはセックスしたくない女性。本当に愛する人とは結ばれない女性。秘密を抱える神父・金井のもとを訪ねる女性たちの姿を描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

夜のまっただなか
自尊心の低い女の典型的なクズにハマる姿と、キリスト教を深く信仰する人、恋愛と宗教って何を信じるか、誰を信じるかが違うだけで、本質的には何も変わらないのかな。金井先生の話は宗教信仰についてなのに、全て恋愛してる自分に刺さる言葉だった。
サテライトの女たち
なんで男って自分だけは違うって思うのだろう。
女の薄幸話を性欲に昇華させる男とそれを利用してお金を手に入れる女。自分自身の価値に無頓着でいれなくなった女が、何を求めてるのか。この女にとっての幸福ってなんなんだろ
裏切られた分だけ傷つけたい。等しく、公平に。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

傷つけ、傷つけられ、縋り、縋られ。

どの作品の主人公も痛ましくもがいているけれど、それでいて神様はそんな彼女たちを救ってくれるわけでもない。読んでいて苦しい。夜がおしまいになった朝、目の前に広がる景色はどんなものだろう。

神様と対峙するというのはこれほど苦しいものなのかな。

「夜のまっただなか
神様とは何者なのか。

「サテライトの女たち」
神の側に立って子を裁く親から逃れるには。

「雪ト逃ゲル」
主人公の「私」自身が自分自身を捉えられいないので読み解くのがかなり難しく感じました。

「静寂」
この一冊の最後にこの話があるから救われた。なかったらもうどうしようっていう読後感だったかも。


島本さんはこの作品で純文学を卒業されたそうです。ジャンル「島本理生」でどんどん作品を生み出してほしい。

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2022年12月14日

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