あらすじ
社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記
「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。
※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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頑張れ詩織さん!
本当に許せない、身の毛もよだつ事件ですね。「TBSワシントン支局長」と言う社会的地位を悪用して伊藤詩織さんに、それも卑劣極まりない手口で性的暴行を加えました山口敬之氏の傍若無人さや往生際の悪さに無性に腹が立ちます。しかも警察庁が彼に対する逮捕状を出していたのに、彼が「故・安倍首相の友達」と言う理由だけで土壇場で逮捕を揉み消したのですから。しかも故・安倍首相が「旧・統一教会」と蜜月関係にあったと言う事実が最近になって明るみに出ていますよね。いずれにしましても伊藤詩織さんの勇気と行動力に畏敬の念を感じます。彼女が民事裁判で山口敬之氏に勝訴出来てとても嬉しいですし、これまで性犯罪や性暴力の被害に遭いながら泣き寝入りを続けて来ました女性たちもどれだけ彼女に勇気づけられたことでしょう。
Posted by ブクログ
1警察が捜査に消極的
2山口氏、当日の行動の不自然さ、整合性のなさ
3社会的地位があれば逃げたりしない?
4行為があったか、合意があったか
(noと言わないとyes?)
5デートレイプドラッグによる記憶の健忘
6恐怖による擬死、精神的解離
メアリーFカルバート
ジョンクラカワ-
Posted by ブクログ
ずっと読みたい、読まなければと思っていた本。
何度も挫けそうに、心が折れそうになりながら、涙を流しながら、この本を書きあげた伊藤詩織さんの姿が想像でき、私も何度も涙が出た。
彼女が受けた被害を綿密に書き記すというよりも、「あの時、私はどうすればよかったのか」、「日本にこんな制度や機関があればいいのか」など、今後この本を手に取る読者に向けた情報が至る箇所に盛り込まれており、「もし自分がこの状況に陥ったら」と想像しながら読み進めた。私が伊藤さんの立場になっても、震える足で警察に電話したり、緊急外来に駆け込んだりなんてできない。ましてや、汚された服、傷ついた身体を放って他人に助けを求めるなど、できるはずがない。何も知らない状態だったら、多くの被害者が伊藤さんと同じように行動するだろう。
そんな、彼女の「後悔」が、今後も多くの被害者の手助けになるだろうと思った。
また、実際に被害者として受けてきた偏見や批判、理不尽な圧力なども丹念に描かれている。加害者が、政界と密接に関わる大物だったことも関係しているのか、捜査は難航を極めた。伊藤さんはその度に、幾度も心が折れそうになりながら、食らいついた。時には膝を折り、動けなくなる日々もあったという。私は、彼女と同じ仕事に就く身として、この話を絶望的な目線で読み進めた。自分が入る世界は、こうなんだなと思い知らされ、打ちのめされた。正直、自信がなくなった。
同時に、伊藤さんのように闘い続ける女性を、もっと知りたい、聴きたい、書きたい、そしてできることなら支えたい、力になりたいとも思った。
これからの私の人生にも大きく影響する本だった。
伊藤詩織さんを、今後も陰ながら応援しています。
Posted by ブクログ
女性に読んで貰いたい、切実に。
ってな事で、伊藤詩織の『Black Box』
ジャーナリストに成りたいと夢見た伊藤詩織さんが、TBSのワシントン支局長の山口敬之にレイプされた事件。
ちょっと前にニュースにもなってたけど、権力に押し潰された感が満載な出来事。
レイプや痴漢等々の性犯罪で泣き寝入りせざるを得ない人々をもう出さない為に、世の中を変える為に立ち上がった伊藤詩織さんが自分の心と身を削りながら戦って来たノンフィクション。
起こってはいけんけど、万が一もし被害にあった時の対応、未然に防ぐ対策の参考になるはずなんでマジで読んで欲しいものです。
2018年76冊目
Posted by ブクログ
伊藤詩織『Black Box』文春文庫。
各種メディアで取り上げられ、話題になったノンフィクションの文庫化。
正直に言うと、本書を読む前には著者の伊藤詩織が本当にレイプ被害を受けたのかと疑念を感じていた。ジャーナリストを名乗る伊藤詩織のジャーナリストとしての活動成果などは全く知らないし、その洗練されたルックスからどうしても胡散臭さを感じてしまうのだ。
自分が知り得たネットなどの乏しい情報を整理すると、ジャーナリスト志望の伊藤詩織が仕事を世話してもらうために会ったTBSワシントン支局長の山口敬之によりレイプされたと訴えるが、山口敬之が当時の総理大臣の安倍晋三の友達だったことから不起訴になったというものである。
果たして、自分が本書を読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは払拭されるのだろうか……
読み始めると、ルックスの良さは幼い頃からモデルをやっていたのかと納得。
さて、問題のレイプ事件。これが事実であれば大犯罪であるが、本書を読む限りは物証が無く、当人の曖昧な記憶や思い込みによることばかりが羅列されており、読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは全く払拭されなかった。デートレイプドラッグの可能性まで持ち出すが、これも証拠は無く、いよいよ疑念は増すばかりであった。
どうして事件直後に警察に訴え、相手を拘束しなかったのか。どうしてレイプした男に何度もメールで仕事の世話を依頼するのか。海外経験が長いと言う割りには驚く程の脇の甘さ。その他、自身の証言を補強するかのように取って付けたような描写の数々。疑問ばかりが残る。
中学校生活を病気で棒に振り、日本から逃げるように海外留学。どこの高校を卒業したのか解らないが、海外の大学に修学しながらジャーナリストを目指す。
ニューヨークで知り合ったTBSワシントン支局長の山口敬之に仕事を紹介してもらうために日本で会う。二人切りで串焼き屋、寿司屋と飲み歩き、寿司屋で日本酒を飲むと意識が途切れ、気が付いたら山口敬之が宿泊するホテルの部屋でPCのカメラで撮影されながら犯されていたと主張している。
その後、デートレイプドラッグを用いられて前後不覚となり、タクシーでホテルに連れ込まれてレイプされたと訴えるが、物証は無く、ホテルの密室で行われたことを証明する手立ては無い。
灰色の結末。事実は闇の中……
伊藤詩織には触れてはいけない何やら危険なものを感じる。
本体価格800円
★★★