【感想・ネタバレ】Black Boxのレビュー

あらすじ

社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記
「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。

※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1警察が捜査に消極的
2山口氏、当日の行動の不自然さ、整合性のなさ
3社会的地位があれば逃げたりしない?
4行為があったか、合意があったか
(noと言わないとyes?)
5デートレイプドラッグによる記憶の健忘
6恐怖による擬死、精神的解離

メアリーFカルバート
ジョンクラカワ-

1
2022年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたい、読まなければと思っていた本。
何度も挫けそうに、心が折れそうになりながら、涙を流しながら、この本を書きあげた伊藤詩織さんの姿が想像でき、私も何度も涙が出た。
彼女が受けた被害を綿密に書き記すというよりも、「あの時、私はどうすればよかったのか」、「日本にこんな制度や機関があればいいのか」など、今後この本を手に取る読者に向けた情報が至る箇所に盛り込まれており、「もし自分がこの状況に陥ったら」と想像しながら読み進めた。私が伊藤さんの立場になっても、震える足で警察に電話したり、緊急外来に駆け込んだりなんてできない。ましてや、汚された服、傷ついた身体を放って他人に助けを求めるなど、できるはずがない。何も知らない状態だったら、多くの被害者が伊藤さんと同じように行動するだろう。
そんな、彼女の「後悔」が、今後も多くの被害者の手助けになるだろうと思った。

また、実際に被害者として受けてきた偏見や批判、理不尽な圧力なども丹念に描かれている。加害者が、政界と密接に関わる大物だったことも関係しているのか、捜査は難航を極めた。伊藤さんはその度に、幾度も心が折れそうになりながら、食らいついた。時には膝を折り、動けなくなる日々もあったという。私は、彼女と同じ仕事に就く身として、この話を絶望的な目線で読み進めた。自分が入る世界は、こうなんだなと思い知らされ、打ちのめされた。正直、自信がなくなった。
同時に、伊藤さんのように闘い続ける女性を、もっと知りたい、聴きたい、書きたい、そしてできることなら支えたい、力になりたいとも思った。
これからの私の人生にも大きく影響する本だった。
伊藤詩織さんを、今後も陰ながら応援しています。

0
2025年03月04日

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