あらすじ
留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女はゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。第三回小松左京賞受賞作。(解説・大森望)。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
宇宙は作れるのか?
壮大なテーマで、物理化学の用語もたくさん出てくるが、そういった用語は理解できなくても物語は十分に楽しめる。
宇宙の始まり「無」から「有」ができるのはなぜか。
宇宙を知る事で自分を知ることになる。
案外、物理学と宗教と言うのは突き詰めると似ているのかもしれない。
宇宙の謎に迫りながらも、日常の人間関係や就職活動などに悩んだり、宇宙の広大さと、学園青春も楽しめる
素晴らしいSF小説でした。
Posted by ブクログ
「生きているうちに、何としても私は知りたいんです」ーーーー
留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校ほ女子学生 穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。「宇宙を作ることはできるのか?」
なぜ、なぜという疑問はいつも持っているが、それを理解し得ない自分に焦りを感じつつ放置している。橋詰老人は凄いなぁと思いつつ、そこまで行動しても答えを得られない焦れには共感した、けど彼は脇役なので、問題を提起したらほぼ出番は終わりだよ!綿貫があまりにもボヤボヤしていてストレスも感じていたが、彼がそれくらい分かっていないからこそ物理を理解していない自分でも読み進めることができたんだなと感じた。日記形式で結末は最悪にならない事が分かったので、その日その日の日記を集中して読むことができる。もう少し物理理論を知って読んだら、穂瑞が打ち破っていく過程が楽しめたんじゃないかなと思う。教養は娯楽。
解説でサラカ・ホミズとワタサンの種明かしがあって、めちゃくちゃ納得した。少し先の現代だとしても変わった名前を不思議に思っていたんだよなぁ!森矢先生…そうかあ!お父さんに…そうかぁ!!!こういう小ネタが大好きなので、また次作を読みたいと思った。