あらすじ
時は平安末期、都はずれの宇治にて、若き陰陽師とおひとよしの武士が出会う――! 安倍晴明の子孫・論理派陰陽師の安倍泰親と豪傑と知られる源頼光の子孫・心優しい若武者、源頼政。 はみだし者の凸凹コンビが、数々の怪異事件の謎を解き明かす。 『絶対城先輩の妖怪学講座』『金沢古妖具屋くらがり堂』シリーズの著者が綴る、平安怪異ミステリー、開幕!
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Posted by ブクログ
源頼光と安倍晴明の血縁の苦悩を見た(笑)
実際のところ、安倍晴明が注目されるのは今昔物語からだし、頼光の家系の鬼退治もねぇ~。
武士も陰陽師もそんなに身分は高いわけでもないしというのが、よくわかる一冊でしたね。それをうまく調理して、話を持っていくのがうまいのはいつも通りで楽しかったです。
シリーズ化してほしいなぁ。
Posted by ブクログ
晴明から数えて5代目の泰親と同じく頼光から5代目の頼政のバディミステリー。さながら泰親がホームズ、頼政がワトソンという感じ。アイリーン的なな立ち位置の玉藻という女もいます。
泰親は陰陽師ですが、術や怪などはまやかしとして、謎の解決はあくまでも現実的なのがいいですね。この作品がシリーズ化するのかはわかりませんが、続くようであればモリアーティ的な敵が出ると面白いですね。
Posted by ブクログ
晴明、頼光の五代目と書かれると「?」となるが、その正体を知って「ああ、あの!」となるという。
九尾の狐退治に鵺退治で有名なお二方でしたか。
有名な逸話の裏側には、こういう現実的な展開もあったのかもしれないなと、その解釈が興味深かった。
ただ全てが全て現実的なオチで終わるのかと思いきや、本物の怪異も出てくる二段仕掛け。
なかなか油断ならないお話だった。
特に竜宮のお話のラストは印象的だった。
本当に竜宮に行ってしまったのか、それとも抜け道があったのか。
その解釈は読者側も好きに想像できる終わり方だと思ったので。
意外だったのは、頼政、泰親、玉藻の和気藹々トリオをいつまでもは楽しめなかった点。
仕方がないとはいえ、一人、また一人と離脱していくのは、三人の掛け合いが楽しかっただけに寂しく思えた。
でも悲観的なラストではなく、前向きなラストだったのがよかった。
何より頼政がいい人なんだよなあ。
非常にお人好しで、和歌や物語が好き、自信なさげなのに、いざというときには体を張れるほどには強い。
素敵な武士さまでした。
お友達に欲しい。