あらすじ
結婚を控えた恋人と同棲している瞳。バーで浅野さんと出会い、生まれて初めて、ただひたすらに彼が欲しいと思って……(「あなたは知らない」)。月に一、二回会う関係の瞳さんは、家に男の人がいる。絶対に俺を傷つけない彼女との関係は、とても楽だと思っていたが……(「俺だけが知らない」)。今、この瞬間に深く、深く、理解されていればいい。たとえ恋じゃなくても……。繊細な筆致ですれ違う大人の恋愛を描く全6編の恋愛短編集。直木賞受賞第一作!
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Posted by ブクログ
少しづつ読んでいた。
実る事がない男女の愛、不器用な家族愛、愛せない愛…。
6編それぞれ、違う人物の視点で描いているが、どこかで繋がり合っている。
向き不向きは、あるけれど私は好きだなぁ。
島本理生は、不器用で刹那い恋愛を書くのが上手い。
Posted by ブクログ
「氷の夜に」バーで働く友人が、いつもきてくれる常連の女性に似ていると思った場面があり、その後本人にあった時大して似てなかったことに気づき、この人を思い出す理由が欲しかっただけだったのだ。と思うシーンが好き。そういうのってありますよね。「あなたは知らない」「俺だけが知らない」の2人の話も好きでした。
Posted by ブクログ
とっても好きな一冊だった。短編だけど登場人物は重なっている。事実はひとつでも、それぞれの思いや受け取り方は違う。題名から想像するドロドロ系の不倫小説とはちがった。人って生きていく上でたくさんの他人と関わっていて、その出会いはぜんぶ運命で、その出会いや経験の全てがその人を作ってるんだなぁと。もっと大人になって読んだら感想が変わるような気がする。
猫目線の物語も入っていてほっこり。"氷の夜に"の大人なしっとりした恋愛もハッピーエンドでよかった。
「自分がなによりも欲しかったものはこの罪悪感だったのだとようやく気付いた。」ー足跡
「その昔あなたのことが大好きでそして今では嫌いになった」ー俺だけが知らない