【感想・ネタバレ】漂流物・武蔵丸のレビュー

あらすじ

「あのな、ええことおせちゃる。」――鬼気迫る母親の一人語り「抜髪」、平林たい子賞、川端康成賞受賞の表題作二篇ほか、私小説の真髄を示す佳篇を精選。さらに講演「私の小説論」と随筆一篇を併録した直木賞作家の文庫オリジナル選集。
〈巻末エッセイ〉高橋順子
〈解説〉井口時男

■目次
木枯し/抜髪/漂流物/変/武蔵丸/狂/「鹽壺の匙」補遺/直木賞受賞修羅日乗(随筆)/私の小説論(講演)
〈巻末エッセイ〉けったいな連れ合い(高橋順子)
〈解説〉井口時男

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

帯に「私小説の極北」とあるが、この短編集に収められているのは必ずしも私小説だけではない。母親の語りが続く「抜髪」、料理人時代の同僚が語る「漂流物」、直木賞受賞時の日記など、バラエティに富んだ構成で著者の作品の幅が楽しめる。
「漂流物」として世捨て人を目指して生きてきた著者ではあるが、本書で語られる様々な文学賞(非)受賞の顛末などを知ると、あえて俗物性を全開に自身を戯画化していて、そうした所こそ自分の肉を切ってこその小説であるとの持論が徹底されている。まさに「最後の文士」とも呼ぶべき作家である。

0
2024年11月09日

Posted by ブクログ

車谷長吉氏の著作を読むのは3作目。
数奇な人生は、本作の作中の著述と夫人の巻末エッセイ「けったいな連れ合い」で
知りました。
また著者の最期についてはwebで知りましたがあり得ない最期、放浪の旅のさなかでは料理人としての仕事もしていた筈だったのに…。
Punksを体現した生き様だったのか…。
本編では「武蔵丸」「狂」が印象に残りました。

0
2022年04月19日

「小説」ランキング