【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せのレビュー

あらすじ

「大衆」という多数派に気をつけろ

「多数派」であることに安住し、自分のことしか考えない傲慢な人=「大衆」が急増する時代に、なぜ政治は暴走してしまうか。その本質と民主主義の限界をあぶりだした大衆社会論の大著を、「大衆」「リベラル」「死者」「保守」という4つのキーワードでよみとく。「なぜ日本では「保守」が間違ってとらえられているのか」「死者とともに生きるとはどういうことか」ーーこれま語られてこなかった文脈から、私たちが生きる世界を認識しなおす術をとく。書下ろし特別章「他者との関係性を紡ぎなおすには」 「私たちの「民主主義」を機能させるために」を新たに収載した、シリーズ累計50万部突破「名著ブックス」の最新刊。

〈目次〉
はじめに
第1章:大衆の時代
第2章:リベラルであること
第3章:死者の民主主義
第4章:「保守」とは何か
特別章①:他者との関係性を紡ぎなおすには
特別章②:私たちの「民主主義」を機能させるために
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Posted by ブクログ

ネタバレ

大衆の反逆出版当時→イタリアではムッソリーニが、ドイツではナチスが勢力を拡大しており、著者オルテガの故郷スペインもファシズムの波に飲み込まれて行った。
この失望から大衆の反逆は生まれた。

大衆とは?→自分が拠って立つ場所もない個性を失った群衆のことを指す。
自分の信念がなく、時代の流れにただ身を任せるだけの人
(オルテガは特に専門家を批判していた。一分野の専門家に過ぎないのに、知っているかのように振る舞うから)
また大衆は己の能力を過信して、平凡ではなく何か優れたことをしようとする。
しかし人間の非凡さは平凡に見えることの中にある。

自由主義とはとにかく寛大なものであり、他者を受け入れる寛容な精神
保守とリベラルの二極化ではなく、反対者と共に生きる寛容性がない。

生きている死者
→大衆は伝統を蔑ろにする。
今の時代はいつの時代よりも優れているという傲慢さが、伝統を古めかしいと一蹴する要因。
過去や死者に向き合わない姿勢は全てを単純化する危険がある。

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2025年05月27日

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