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Posted by ブクログ
オルテガの名著を、大衆、リベラル、生きている死者、保守という4つのキーワードで語る。
未読の書物を、原著に当たらせたくさせる好著だ。
オルテガのいう大衆とは、自分と異なる他者と共存しようとする冷静さ、寛容さという意味でのリベラリズムを欠くもののことである。その対極が貴族だ。
そして大衆の原型が、専門家だという。
保守とは、人間の理性には限界があり、理性と知性によって社会を設計するなどということは不可能だという認識を持ち、過去の人々、死者たちの叡智とともに生きようとする姿勢のことである。
自我、私、自己責任などという観念が肥大した近代という時代の根源的な誤謬、近代が失ったものの本質を見事に剔出してみせたオルテガ。
あらためて本邦の西部邁をはじめとした保守の論客から学ばねばならないと思いを定めさせられた。