【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せのレビュー

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Posted by ブクログ

オルテガの名著を、大衆、リベラル、生きている死者、保守という4つのキーワードで語る。
未読の書物を、原著に当たらせたくさせる好著だ。

オルテガのいう大衆とは、自分と異なる他者と共存しようとする冷静さ、寛容さという意味でのリベラリズムを欠くもののことである。その対極が貴族だ。
そして大衆の原型が、専門家だという。

保守とは、人間の理性には限界があり、理性と知性によって社会を設計するなどということは不可能だという認識を持ち、過去の人々、死者たちの叡智とともに生きようとする姿勢のことである。

自我、私、自己責任などという観念が肥大した近代という時代の根源的な誤謬、近代が失ったものの本質を見事に剔出してみせたオルテガ。

あらためて本邦の西部邁をはじめとした保守の論客から学ばねばならないと思いを定めさせられた。

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

真理は手に入らない、人間は不完全な存在であり常に自己懐疑的視点を持ち続ける。他人の意見に耳を傾け、自分と異なる考え方に対して寛容になり、合意形成を粘り強く模索する。何かと他人を論破してやろうとする今のご時世で、本書を何度も読み返し、常に自省を促していきたい。

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2022年03月19日

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