あらすじ
古墳時代から飛鳥時代にかけて地方行政のトップにあったのが、有力豪族が任命された国造である。だが、その実態は謎も多い。本書は、稲荷山鉄剣銘に刻まれた「ヲワケ」の名や、筑紫の磐井など国造と関連する豪族、記紀の記述を紹介しながら、国造制とは、いつ施行されたどのような制度で、誰が任命され、いつ廃止されたのかまでを描き出す。さらに奈良時代以降に残った国造がどのような存在であったのかなどを解説する。
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Posted by ブクログ
国造制研究の第一人者が書く国造入門の決定版。国造制の成立、内容、氏姓、廃止時期や、律令制下の「新国造」批判などについて詳細に述べられる。前提になる知識(部民制、県主、ミヤケ)についても要点がまとめられているので理解しやすい。
Posted by ブクログ
飛鳥時代にかけて大和政権の地方行政を担った国造について、未だ明確でないその起りと制度の内実を、律令制下での在り方を含め描き出す内容。難しく感じる研究概念もあったが、研究史や論点も整理されており、ためになった。
Posted by ブクログ
結局国造とは何なのか?この本を読んでもよくわからなかった。私の理解力の問題なのだろう。あるいはもう少しじっくり読むべき本なのかもしれない。
ただ、国造について神社との関係をもう少し考えるべきではないかと思われる。出雲や紀伊についてのみ取り上げているが、大和(大倭)の例もあり祭祀権というものについての考察も必要なのではないか。