【感想・ネタバレ】タフィーのレビュー

あらすじ

父さんの暴力から逃れ,家を飛びだしたアリソン.古い家の納屋に身を隠すが,家主のマーラという老女に見つかってしまう.認知症のマーラは,彼女を昔の友人・タフィーと間違えているようで――.孤独を抱えたふたりが出会い,思いがけない同居生活がはじまる.カーネギー賞作家が詩でつむぐ,友情と再生の物語.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

散文詩形式で書かれた作品。読むのは難しくないのだが、読むのが辛かった。胸が苦しくなる内容。
アリソンは支配的な父親の暴力から逃れるため、家を出るしかなかった。少し前に家を出た、父親の恋人を探したが、会えずに、古い家の納屋に潜り込む。家主は認知症のマーラ。マーラはアリソンの事をタフィーと呼び、部屋に招き入れた。
アリソンの現在と父親との暮らしが交互に描かれ、マーラの過去も入り混じり、幻想的ですらある。しかし、次第に家族に問題を抱えている事がわかってくる。
アリソンもマーラも言いたい事を我慢していた。孤独な二人は少しずつ歩み寄っていく。
ギリギリの生活なのに、アリソンは悪い方へは流れないし、病んでしまう前にマーラと出会ってよかった。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

父から虐待されて育ち、生きる場所が見つけられないアリソン。友を失い、娘を亡くし、認知症が進行して不安に怯えている老女マーラ。
詩の形式で物語を綴るのはこの頃の英米文学の流行のようだけど、(単なる流行りではなく、スマホ、ネットに時間を割き、長い文章を読まなくなっている現代人に読んでほしいと工夫した結果ではないかと思う)この形式だからこそ、胸に直接響いてくる。
アリソンがいかに父の愛情を欲していたか。父親は支配的でありながら、精神面では大人とは言えないほど未熟。
マーラの心は何かをきっかけに今までの人生の哀しかったこと、嬉しかったことが現れ、それを隠したり押さえたりするのが認知症のために難しくなっている。派遣されてきている介護者はマーラは頭がおかしくなったと考え、彼女の言葉を真剣に考えない。全てハイハイ、という態度。息子は母の認知症が進行してまともな会話が成り立たないことに怒りを感じている。それら全てをマーラは感じ取っている。
なんともやるせない話ではあるが、後味はよく、何よりアリソンの成長と幸せが見えてくるのが良い。

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2022年01月02日

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