あらすじ
社会は大きく変わっているのに学校教育は昔のまま。
このことに不安と不満を持っている日本人保護者は多い。
海外も昔は日本と同じく「知識詰め込み型」だったが、今は時代とテクノロジーに合わせた変化・進化が始まっている。
それを見るのに最適なのが、世界の教育法が集まっているマレーシアだ。
現地で教育関連の取材を続ける著者が、各種教育や最新カリュキュラムの紹介のみならず、これからの学校と教師の存在意義、親子関係のあり方など、日本人に選択肢を提示する。
子どもが自ら学びたいものを発見し選んでいく時代に、保護者はどのような態度で臨めばいいのか?
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Posted by ブクログ
世界を見渡すと教育システムの幅の広さが感じられるなと思った。確かに日本の教育は遅れているかもしれないが、学力の底上げに関してはかなり貢献できているのかなと感じる。
新書という制限には収まりきらないのかもしれないが、「選択肢が増えた時代の教育」のデメリットとかダークサイドの面をもう少し取り上げてくれると、より教育についての考えが深まるのかと感じた。
Posted by ブクログ
【今後必要な能力】
「批判的思考・コミュニケーション・協働・創造性。なかでも最も重要なのは、変化に対処し、新しいことを学び、馴染みのない状況下でも心の安定を保つ能力になるだろう。」
今後どのようなスキル・能力が必要になるかは分からないが、絶えず学習する力があれば、変化した状況に合わせて学ぶことができるはず。子どもたちの個性・適性に合わせて、学習方法・学校を選択することが大事だし、そのためには多様な選択肢があることが望ましい。これは、「塾歴社会」で述べられていることと同じである。
…そこで、我が家に当てはめて考えてみる。この著書で述べられているように、どの学習方法を選択するか、全てを子供に委ねるのは正直難しいことではある。が、子供が自ら自分を顧み、個性・適性について考える時期として、中学というのが妥当なのではないかと考えている。だから、親として小学校は子供の様々な可能性を潰さない、そのような選択が必要だという結論に達した。
私自身は思考力・コミュニケーション力が大事だと思うし、子供にはそうあってほしいと思うが、やはり向き不向きはある。この本の中で述べられているように、いろんなタイプの人を活かしつつ、協力してプロジェクトを進めることが大事。そういう考え方、大事。
【英語の必要性】
将来自動翻訳が普及するとは言え、当面英語ができることにより様々な学習リソースにアクセスでき、学びの範囲が広がるということは確かだろう。また、やはり自動翻訳ではなく、直にコミュニケーションを必要となる時もあるのではないか。
【PISAランキング】
「PISAランキングで上位に入る国と、起業の盛んな国とは反比例である。」PISAでは知識だけでなく、思考力・応用力を問う問題も出題されると言うが、ここで測定される能力が社会に出て必要なものと乖離があるのではないかという問題提起である。「日本の教育はダメじゃない」の中で、日本の教育がダメじゃない根拠として、PISAランキングが引用されているが、その根底を揺るがす問題提起である。また、PISAランキングと自殺率との関係についても言及されている。