あらすじ
几帳面な「ぼく」と自由なアントワネットは、愛に満ちた理想の二人だった――子供に恵まれないことをのぞいては。病院で診察を受けるも原因は不明。時はいたずらに過ぎ、夫婦の間の亀裂は少しずつ広がっていく。不妊治療に臨む夫婦を夫の視点から描く、オランダ気鋭の小説家による文芸作品。美しい過去への憧憬が、静かに、確かに、胸を打つ。
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Posted by ブクログ
全くノーチェックだったのだけれど、國森由美子訳だったので気になって読んだ。
2人の心と体が離れていくのが男性主人公の立場で淡々と語られていき、時にはどこでどうしてこうなってしまったのかと同情も覚えるのだが、女性の立場で読むと男性のその淡々としたしつこさにちょっとウンザリもしてくる。
これは優しさなのか愛なのか執着なのか。パートナーと生きるとはどういうことなのか。夫婦とは何なのか、子どもを持ちたいと思うことの意味は。
ここにあって、迫ってくるのは、齟齬。