あらすじ
戦後最大の詐欺集団、横田商事。その崩壊を目撃した隠岐隆は同じく元社員の因幡充に勧誘され、嫌々ながら再び悪事に手を染める。次第に才能を開花させる隠岐。さらには二人の成功を嗅ぎつけ、経済ヤクザの蒲生までもが加わってきた。口舌で大金を奪い取ることに憑かれた男たち。原野商法から海外ファンドにまで沸騰してゆく遊戯の果てに見えるのは光明か地獄か。山田風太郎賞受賞の犯罪巨編。(解説・酒井貞蔵)
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Posted by ブクログ
月村さんの著作は『槐』しか読んだことがないのです。けれどその面白さには度肝を抜かれて、他の作品も読みたいと常々思っていました。730頁超の分厚さにビビりながらも読み始めたら止まらない。
実在の豊田商事事件を下敷きに、そんな詐欺会社に勤務していた元社員が次に仕掛ける詐欺という体(てい)。私はアホやから(笑)詐欺の仕組みがよくわからないことも多くて、あれこれと詐欺を思いつく人の賢さに驚くばかり。
「国境を越えて不変であるのは人間の欲」という言葉は悲しい哉、真実なのでしょうね。主人公の家族も含め、嫌な人だらけ。好きだったのはヤクザの砂州のみ。ほかは誰も信用できません。
Posted by ブクログ
面白い
詐欺の手口てこういう感じなのか~すごいなこれは騙されちゃうな
主人公の不安定な線引き、読んでてこっちもちょっと理屈通らんな~と思うほど
ほんとに嫌々やってるのか?思う間に足を洗うことなどできなくなってゆく
かっこいいぞ進め!て気持ちと見てられないようもう解放してくれよ~て気持ちが一緒にある
ラストもこの感情のまま、ただ呆然(ほめてる)
Posted by ブクログ
実際の話は知らずに読みました。
最後まで面白く読めた!
終わり方がどうせなんか失敗して殺されちゃうんじゃないの?と思ったら続いていくエンドで嬉しかった。
どんどん悪の道でのし上がっていってほしい!!
Posted by ブクログ
前半部分が圧倒的に重い。
まっとうに生きようとするが、最低限の生活ですら徐々に手詰まっていく救いのない展開に読む手が進まない。
先が思いやられたが、中盤からはスリリングなコンゲームがテンポ良く進んでいく。
因幡、隠岐、蒲生の三者が手を組みながら、詐欺という舞台の上で、お互いを蹴落とす隙を狙っている。
主人公の隠岐は常に脱落候補筆頭なのにも関わらず、中盤から終盤にかけて覚醒していく。
騙し騙されのコンゲームの先に待っている未来なんて碌なものじゃないだろうと思わせられたが、結末は意外な形でここでも作者に躱わされた気がした。
気になった点:
主人公の隠岐、詐欺に手を染めるまではうだつが上がらない底辺サラリーマン。得意不得意があるにしても、詐欺のビジネスで覚醒する様を見ると、その片鱗くらいは前半に見えても良かったのでは。
そして全く家族から相手にされずATMとしか見なされていないにも関わらず、家族を脅しの材料に使われると簡単に屈してしまう点も、説得力にかける気がした。現実はそんなものかもしれないが、ひとつくらい、家族との絆を捨てきれないでいるエピソードがあると読み手としても没入感が増したのではないかと感じた。