【感想・ネタバレ】神とさざなみの密室(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

ここはどこ!? 女子大生の凛は記憶を辿るが、何も思い出せない。暗い部屋で、両手首を頭上で縛られている。一体誰がこんなことを。恐怖に駆られる凛の前に、突然見知らぬ男が現れる。両者の間に横たわる、顔を焼かれた死体――。破局のタイムリミットが近づく中、対立する政治団体の男女を、疑惑と憎悪、密室と死体の謎が翻弄する。本格ミステリ新世代の旗手による究極の密室監禁サスペンス。(解説・千街晶之)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ツイ廃の人は読むべし、森友学園を始めとする安倍総理への左翼側の批判とその批判を批判する保守(ネトウヨ)のやり取りがページの枚数を貪っているw
政治・社会運動の盛り上がりを事件のエネルギーにして不可思議な物語のエンジンを廻している、主人公の凛と大輝は、パヨクと反政府vs.ネトウヨ外国人排斥のそれぞれの団体に所属していていて二人とも目が覚めると二つの密室の中で別々の死体を発見した、SNSフォロワーの「ちりめん」を探偵に各人話しながら事件の真相を探る
「民主主義って何?」「正義って人によって違うよね?」とツイ廃以外には興味なさそうなテーマを燃料に、不可思議設定が合理的に事件簿となるかアクロバティックな市川先生の作業が続く、この手の作品にありがちな動機やそこまでする意味が分からんを見ないフリすれば楽しめるかもしれん

0
2025年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

――


 ソリッド・シチュエーション・スリラーと云えばやっぱりSAWとかキューブとかが代表格なんだろうけど、なんとなくああいう誂えられた? 状況よりも不意にそうなってしまった、って格好の、ALONEとか127時間みたいな「あちゃーまじか」から始まる作品たちの方が好み。それは設定上ももちろんなんだけれど、その置かれた状況が日常的にあり得る、あるいはもしかしたら自分にも起こり得るんじゃないか、ってところが怖いんだろうな。その点フォーン・ブースなんかも惹かれる。

 と、いった好み的にこの、なんというか作り込まれたシチュエーション=すべてトリックのために、みたいな舞台設定にはちょっと、ハマりきらなかった。伏線がすべて回収されて、なるほど目からウロコ、となるよりはむしろ、あぁそれしかないよね、って冷めた納得をしてしまった、というか。あまりにも要素のそれぞれが、そのためのものでありすぎるように感じて。
 まぁそのあたりは好みでしょう。


 好みついでに、ミステリを除いた部分の主題も少し、好みではなかったというか…うーん。意味も意義も良く分かるし、そのための素材集めもしっかりしているし、流石に充分描けているのだけれど――なんだろなぁ、あんまりこういう我儘は云わないんだけれど、これってあなたの仕事かな? って思ったしまった。作品よりも作家を読んでいる、こりゃあかん。

 より若い目がこの作品に触れ、そこから始まる何かが佳きものであることを願います。


 ☆2.5

0
2022年04月05日

「小説」ランキング