【感想・ネタバレ】ホワイトカメリアのレビュー

あらすじ

SNSで話題のWEB小説家・MIYAMUが2022年2月ついに初の小説を出版決定!

「寝息を感じられる距離にいられた、束の間の朝を

揺れる日々の中、震える指先で求めてくれた夜を

冷たい朝露に濡れて、麗しく咲いていたあなたを

愛しています。心から。

あなたが私の最後の人」――――『ホワイト・カメリア』

SNSにて話題を集めるWEB小説家のMIYAMU×人気イラストレーターyasunaが共作で贈る
2022年最初のラブストーリー。

6人の男女のもどかしく、やるせない恋模様。

私たちは、それぞれに傷を負っている。
その傷を見せないよう、隠しながらもがいている。

誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる。
正論はときに暴力になる。

恋愛に、正しいも正しくないもないのだ。

これが、複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

六人の男女が一つのバーを中心に恋愛を繰り広げる物語。上手く言葉に出来ないことが悔しい。それぞれがもがき苦しんで、恋愛のみならず自分の気持ちとも対峙し、恋とはなにか、愛とはなにか、苦しみ続けている。

後半はずっと鳥肌が立ちっぱなしだった。やるせない気持ちになりながら、暖かい気持ちになりながら、色々な恋愛模様に目を通していた。感情がぐちゃぐちゃになりそうだった。

和泉臨と佳奈の間に漂う元恋人にしかない温度感がとてもリアルだった。二人だけで共有してきた過去が、思い出があるんだと、痛感する思い。付き合ってたから当たり前なんだけど。その温度感が、距離を図る会話が嫌にリアルだった。

好きになっちゃダメだと理解しながら逃れられない紫葵ちゃんには同情する。好きになっちゃダメだと思ってる時点でもう恋に落ちてるんだと、ありきたりな感想が浮かんだ。

この作品において、私にとって1番"食えない女"だなと感じたのは圧倒的に藍ちゃん。小さい頃から築き上げた人を魅了させる振る舞いによって男を恋に落としてきたのだろうな。だから牧瀬が恋に落ちる予感を察知して自然に距離をとる。でも相手は何も悪くないし、自分が始めたことなのだから罪悪感がぬぐえない。そう読者に伝わる表現だった。いい女。

登場人物全員が魅力的。何かしら抱えながら、傷つきながら全身全霊で悩んで恋をしている姿が本当に好き。終わり方もとても好きだった。生きた証が、バーに残っている感じ。ハクは、誰なんだろう。勝手に成瀬の子供だろって思っちゃったけど、成瀬と藍ちゃんはくっつくのかなあ。二人とも読めない人すぎて、鳥肌と衝撃の7割はこの二人だった。二人の子供じゃないといいな。修羅場第二弾がバーで始まってしまう。

最後に、表紙を見て気づいたのだが、臨が紫葵を見つめているように見えて頭を抱えた。細かい。抜かりないなと。また千里が椿の前とそれ以外とで一人称を変えているところに気づいた時も同様に感服した。絶対に手元にキープして、何度も読み返すと決めた。絶対。

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2025年01月09日

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