あらすじ
まりなの遺体が見つかってしまった。警察から事情を聞かれても夏休みの計画に余念がないしずかに対し、東は何とか上手く切り抜けようとする。そして夏休み、しずかはタコピーと二人だけで東京に向かうが…!? 衝撃の小学生ドラマ、ついに完結!!
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宇宙にハッピーを広めるために地球にやってきたハッピー星人のタコピー。
彷徨っていたところを助けてくれた小学四年生のしずかちゃんをハッピーにしたくて空飛ぶ道具を見せるも、彼女は全く興味を示してくれず…。
それもそのはず、しずかちゃんを取り巻く環境はそんな便利道具でどうにかなるようなものではないほど壮絶だったのです…。
物語はしずかちゃんや学校の同級生を中心とした小学生の世界を描いており、だからこそ、逃げ場のない限られた世界で行われるいじめ・ネグレクト・虐待は、彼女達を追い詰めてゆきます。
ただただしずかちゃんに笑って欲しいだけのタコピーですが、彼(?)の行動によって事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途を辿ります。
主人公のしずかちゃんはクラスメイトの雲母坂(きららざか)まりなから壮絶ないじめを受けています。
ですがいじめという概念を知らないタコピーは理解ができず、「遊んでいる」と認識します。
更に「友達とケンカした」と言い痣だらけになっているしずかちゃんを見ても、タコピーは理解ができません。
「ケンカをすると顔の色が変わるんだっピね!」と無邪気に言い、便利道具の“仲直りリボン”を渡してしまうのです。
しかし本来の使い方とは違う使い方で自ら命を絶ってしまったしずかちゃん。
ショックを受けたタコピーはハッピーカメラで彼女が命を絶つ前まで時間を戻しますが…。
しずかちゃんを笑顔にすることはできるのでしょうか…。
しずかちゃんの親は(恐らくは)ネグレクト、しずかちゃんを執拗にいじめるまりなもまた、過酷な家庭環境で生きている虐待サバイバー。
そのほか、登場する子供たちは誰しも人には言えない闇を抱えています。
さらには、
子供の歯止めが効かない残酷さ。
大人の無関心さによる残酷さ。
悪意のない無垢ゆえの残酷さ。
ありとあらゆる残酷さが詰まっており、残酷のジェットコースター状態。
大人から見放され、断絶された残酷な世界で苦しむ子供たちの姿を見ると胸が苦しくなります。
無邪気さに恐怖を感じる方もいるのではないかと思うタコピーですが、この物語は彼のキャラクター性によって救われているのではないでしょうか。
いじめや虐待といったことが横行している世界を「歪んでいる」と言うことがありますが、この物語は悪意を知らない無垢なタコピーの視点で描かれているので、歪んだ世界が更に違う歪みをみせます。
タコピーによって彼女達の世界は今後どう変化していくのか…。
「原罪」は一体何を指しているのか。
色々な考察ができる本作、是非覚悟して読んでいただきたいです。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
こういうの読むと桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」を思い出すよ。ロリポップでは子供は世界と戦えない。タコピーが直接介入した世界が上手くいかなかったから、子どもたちが自分の手で自分を救う結末になるのは妥当だろうな。でも子どもは無力だから福祉の手が必要なんだよ!その手の差し伸べ方がムズいんだろうけど。現実は複雑で難しい。普段漫画あんま読まないから、小説とか映画だとできない漫画的表現を効果的に使っててしびれた!
Posted by ブクログ
東くんの悩み、しずかちゃんから東くんへの頼み、しずかちゃんのお父さんの現在、タコピーが思い出した過去、タコピーがしずかちゃんの前に現れた理由、追い詰められたしずかちゃん、タコピーの決断、怒涛の展開になんと言ったらよいのか言葉を失う。
Posted by ブクログ
すごい、こういう着地か。タイトル回収も含めて激動の下巻だった。しかしなぜだろう、ハッピーエンドなのにずっと胸がザラザラするのは?
ネットで散々ネタにされているあのコマも、あのコマも出てきて興奮したいところだが、全部エグい場面でやっぱりインターネットは人の心無いな…
匿名
やられました。
上巻の最後の方から雲行きが怪しくなっていき、この下巻で落とされました。
タコピーは可愛いけど、読んだ後の数日は無気力になります。ある意味ハッピーです。
Posted by ブクログ
小説のみと思ってましたが、まあ上巻と下巻しかないので許してください!
感動しました。こんな感動する漫画とは思わなかった。何年か前にすごく話題になり、その時に読めず、今更初めて読みましたがえぐかったです。
家庭環境がそれぞれ壊れた子ども達はタコピーと出会ってその無邪気さに色々狂わされてやり直してを繰り返して…
とてもハラハラする展開に、思わず息が止まりそうになりました!
この作品の辛いところはタコピーの純粋すぎる事のように感じます。タコピーはそこまで勘もいいようで悪いようで、なかなか自分の使命を全うできません。しかし、この作品で起こる展開全てにタコピーの悪意はなく、あるのは人間の子どもの純粋なエゴ。そんな子ども達に、タコピーという存在がどう映るのか、そんはお話でもあります。
本当に面白かったです!
Posted by ブクログ
驚きの展開でした。
無邪気なタコピーが最後の最後に力を使った時涙が止まりませんでした。
1人の視点から見ると悪に見えていた子も、その子から見ると自分は悪くなく環境や別の人が悪いと感じている。
多方向からの視点で見ることが大事だと学びました。
漫画の中の登場人物はほぼ小学生で、こんなに若い子たちがたくさん考えているのに、歳をとった私自身は頭を使わず逃げているのでもっと周りに目を向けようと思わされました。
Posted by ブクログ
最後の方での展開が
いろんな視点で入ってくるから
誰が悪で誰が善かわからなくなる感じが
考えさせらせて
自分の視点だけではダメなことを
突きつけられた気がした。
良かった
ハッピーエンドと言うよりかは、トゥルーエンドっていう感じ。
でも最終的に、タコピーが見たがっていた2人の笑顔を見ることが出来て良かった。
こういうタイプが真逆の2人こそ、きっとこの先ずっと仲良しで居てくれると思う。
Posted by ブクログ
同級生が死んだことに対して喜ぶしずかちゃん
酷いいじめを繰り返すまりなちゃん
頼られて死体を隠すのに極力する東くん
どれも一般的に見て異常ととも捉えられる行動だが
みんな大人の巻き添いになっていることから
なんとも言えないモヤモヤを感じました。
幼い登場人物達が、大人の都合により病み苦しむ中
一方で純粋に優しく助けたいと思うタコピー
だが彼女らを助けるにはあまりに無知だった。
最終的にはハッピーエンドのようになっていますが
賛否両郎な作品だと思います。
タコピーの原罪
想像しうる限りの最もハッピーな終わり方をしたと思います。
タコピーの原罪は対話をやめてしまったことなのでしょうか……。
謎のままでも十分楽しめました。
さらなる事件が!
とにかくメインキャラが泣く! そこに至る組み立てが上手い。
当初はいじめっ子殺人事件をどう隠蔽するかという流れだったが、どんどんしずかちゃんの黒化が進み、東京でハードモードに。
ブラックしずかがまた美人です。ラストはタコピーの献身にジンとくる名作。
すごい作品....
流行ってるからで見た作品でしたが、とてもすごい作品でした。
心情や情景が二巻と短い尺の中に詰まっていました。少し理解や納得が出来ていない部分も有りますが最終的には丸くハッピーエンド?で終わり良かったです。
一度ではわからない部分も有るため、何度も読み直してみたいと思います。素晴らしい作品をありがとうございました!!
しずかちゃん可愛かった。
Posted by ブクログ
「助けてあげようとするだけじゃ、きっと違った」 下巻ではこの台詞と一連のシーンが好きだった。タコピーとしずかがようやく心の底から話し合い、しずかが家族を失ったことを認識し、前に一歩を踏み出す。ただ、この選択は正しくはあれど辛い道でもある。
しずかの「全ての問題を無視する」という性質は、彼女の心を守る為の機構でもあった。それを失う事は、家族に捨てられたという辛い現実と向き合わなくてはならなくなる。
そして彼女は心が壊れたように、いつまでも泣き続けていた。成長とはプラスの側面だけでなく、痛みや葛藤も伴う物だという事を理解した。
Posted by ブクログ
何であの人や主人公があんな事してたのか最後に全てがわかる感じは見事。
多分泣く。
映画を見てるみたいな爽快感を得られることでしょう。(個人の感想です。)
Posted by ブクログ
しずかちゃんの叫びがやっと聞けた。
全部全部出し切れたのかな。
辛かったねという気持ち。
そういう結末になるのか。
戻らないという言葉がずっしりとくる。
変わってしまったものは戻らない。
形を変えてまた繋がることはあっても、
同じには戻れない。
アニメも見たけど
Teleの
僕が魔法になるから 理由になるから
の歌詞が切ない
Posted by ブクログ
Webサイト「少年ジャンプ+」で連載されていたタイザン5による「タコピーの原罪」の下巻。2025年にTVアニメが放送予定。ハッピー星人のタコピーが助けてくれた久世しずかの笑顔を取り戻すため「ハッピー道具」を使って奔走するお話。ラストへ向けて物語の展開が加速度的に増します。これだけコンパクトに面白さを詰め込んだのが凄い。また子供たちの目から見える世界だけを舞台にしたのが功を奏している。「原罪」はタコピーの考え方。最後に、そこに気づき贖罪(?)したことで、あの世界に辿り着けた。人は一人ではないし、対話は重要。
ハッピーエンドでよかったッピ
タコピーとは真逆のドロドロした登場人物ばかりですが、最後にタコピーのハッピーが届いてよかった;;
上下巻と短い話ながら、内容が濃く、一生忘れられないストーリーでした。
みんなハッピースマイルエンドの挿絵(?)も、余韻がよく、本当に好印象でした。
連載追えて良かった
過去編の「一体どうなるんだ!?」ってドキドキは最近の漫画でもトップクラス
しずかちゃんとチャッピーが笑顔になれてよかった さらばタコピー
同じ作者さんの読み切り「キスしたい男」もオススメです
Posted by ブクログ
しずかちゃんの叫びが辛く、タコピーのごめんねも辛い。現実世界でも、大人が手をさしのべているつもりでも、タコピーの言葉にあるように、実際救いになることってわずかなんだろうな。それでも傍にいて、一人にしないことは大事なのか。
無理矢理のハッピーエンドだけど、バッドエンドよりはいいや。
東くんのお兄さんが、ましな人でそれだけが救い。