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Posted by ブクログ
最初読み終えたときは、子供の頃、数回味わったあの感覚が蘇ってきた。
相手に殴りかかって行って・・・。
衝撃で目をあけると、目の前、数センチに地面がある。
ああ・・・
グイッと、現実に戻される、今、目覚めたような孤独の感触。
怒りの恍惚から冷めて、ケンカが滅法弱く、そのくせ気が短い自分、に思い至る。
そのときの感触とこの本の読後感がそっくりだった。
二度目の今回は、あらすじも覚えているので、ラストに囚われず、じっくり読み込むことができた。
「本日、サービスデー」から繋がっているんだ、ということ。
取り返しのつかない人生の過ちを犯さない、犯させないために・・・。
それでも、どうしようもない選択肢の中で犯してしまったときは・・・。
読み終えて、決して楽しい作品ではないし、文学作品でもないので、事象の描写は表面的かもしれない。
でも・・・。
この作品を単なるSF・娯楽小説の範疇に留め置くのは勿体無いと思う。それだけの深さがある。傑作。
また、読み返すと思う。
【あらすじ(最初だけ)】
宿なしの幸慈が薄暗い街を歩いているとき、変わったカツアゲ現場に遭遇した。
スタイル抜群の女が、若い無抵抗な男に膝蹴りを入れ、小銭を巻き上げていたのだ。