あらすじ
第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラー。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。
...続きを読む感情タグBEST3
とても良いお話し。
最初は読み進まなかった。どういう展開になるのかわからなかったが、まさか!という想定していなかった出来事が起きたところから一気に読み進めました。
不思議な話だけど、自分の人生、家族の人生色々自分置き換えて少し自分を見つめ直し、そして泣きました。
Posted by ブクログ
最後まできっちり読ませる筆力が凄い。これがデビュー作とは到底思えない完成度の高さにびっくりしながら、読後感のよいラストまであっという間でした。
Posted by ブクログ
フィクションだが、グングン話に引き込まれる。文章も読みやすく、表現が素晴らしかった。
真理子の心情や、彼女を思う周りの人たちの気持ちを思うととても泣けた。
Posted by ブクログ
再読!
やはり泣ける。10年ぐらい前に読んで、衝撃を受け、ストーリも覚えていましたが、再度読み直しました。
第1回「このミステリーがすごい!」大賞・金賞受賞作品。
本書は「このミス」シリーズを読み始めるきっかけになった作品ですが、正直、その後は「このミス」で素晴らしいと思える作品にはほとんど出会えませんでした。
ストーリとしては、脳に障害を負った少女千織。その少女を助けるために指を失ったピアニストの如月。山奥の診療所を千織のピアノを演奏するために訪問します。
その診療所で如月に好意をもっていた真理子と再会します。
しかし、ここで事故が発生。千織をかばった真理子は重体に。
そして、不思議な出来事が起こるといった鉄板のストーリ展開。
生きるということ
自分自身と向き合うということ
切なさ、辛さが伝わってきます。
そんな癒しと再生のファンタジーです。
後半はストーリがわかっていながらも心揺さぶられ、熱いものがこみ上げてきます。
さらに、本書で出てきたピアノ曲
「別れの曲」
「月光」
ストーリと曲がつながります。
これ、やっぱり映像で見てみたい。
とってもお勧め
Posted by ブクログ
分厚いので積読になっていて、ふと読み始めたらその日のうちに一気読み。
冷静に考えれば「そんなバカな」という筋だし、第一回「このミス」大賞なのにミステリーじゃない…なのになぜかどんどん読んでしまう。これが筆力ってものだろうか。
これがデビュー作とは確かにおそろしい。
ほかの作品も読んでみよう。
Posted by ブクログ
再読。ちりばめられたモチーフの1個1個はもしかしたら既視感のあるものかもしれないけど、それらが構築する物語に途中からググっと引き込まれる。これで新人だったというのがすごい。
Posted by ブクログ
暖かい物語。ただ昔の女性との関係が一気に恋愛に近いものになったのが、ちょっと⁇って感じ。
だけど、深く考えなければ大丈夫。
ピアノ天才と天才になりそうな少女。人に教えることで自分も成長できるって感じでした。
Posted by ブクログ
ミステリー大賞とのことで、推理モノかと思ったが、壮大なファンタジーであり、音楽・脳化学・宗教と、色んな観点から真面目に考えさせられる長編だった。
ベートーベンの月光ソナタは好きな曲なので、読んでいる途中からずっと頭の中を流れている。最後、礼拝堂で弾いている場面は鳥肌が立った。
キリストの描写があったが、真理子は「聖人」だなと思った。子どもが出来ない身体だけれども、沢山の人が彼女によって救われ、寿命を永らえている。例えば千織ちゃんの成長とか、和枝夫人の回復とか、未来さんの結婚(たぶん子供は出来るだろう)とか、これらは真理子によって残された命である、本人は自分が存在した意義を最後に実感し、納得して旅立ったのだろう。彼女に助けられた人たちも、彼女のことをずっと語り継いでいくわけである。
子孫を残すことが使命である動物とは異なり、血の繋がっていない他人に自己犠牲の愛情を示し、影響を与え、何かを受け継いでいくという、人間らしさを感じさせる生きざまだった。
心に残ったセリフとしては、倉野医師の放った一言である。
「信じるということは、人間の脳に与えられた偉大な力」
Posted by ブクログ
このミステリーがすごい!第1回大賞作だが、トリックも殺人もどんでん返しもない。脳に障害のある少女のことを丁寧に書いて、読み進むうちに少しずつわかる様な気にさせるところなど、小説のうまさと面白さを味わえる。ピアノ曲のびょうの描写もすごくいいので、次の作品を読みたくなった。
Posted by ブクログ
よく使われそうなネタ感は否めないが、そこは丁寧な描写や話の持っていき方が上手いのかな、気にならずに読めた。
それよりも、この作品の良いところはもっと他の部分。このミス大賞受賞だが実際はミステリーではない。
胸が痛んで涙が出る話。
Posted by ブクログ
このミス大賞受賞作
真理子さんと千織の心が入れ替わるという面白い展開だった。
実際には起こり得ないことだからこそ、起こるべく未来が変わってほしいと思った。
ちょっとページが長い気もするが、その分臨場感も味わえる。
ミステリーと言われると難しい気もするが、明るい未来へ着実に進んで終わるのは気持ちよかった。
Posted by ブクログ
指を失ったピアニストの青年と脳に障害を持つ女の子。
診療所を訪れたふたりに起こった奇蹟。2002年の作品とあるので、昔の作品なのですね。
途中、東野圭吾の秘密を連想しながら読み勧めましたが、不覚にも、最後の方は泣いてしまいました。
最後の方になって、診療所の設立に尽力した人にあるひとの名前があがった時は優しい気持ちになれました。
必要とされる人が突然いなくなる悲しみ。家族のいる人に限らず、誰もがそうかもしれないですが、きっと耐え難いものがあるかもしれません。でも逆に言えば誰かのために生きられた証だと思うから、自分もその時が来たら、そうありたいなと感じました。
Posted by ブクログ
事件で薬指を失いピアニストの夢をあきらめた男と
両親を失った女の子のお話
二人は男が保護者、女の子はピアニストとして
いろんなところで演奏を披露していた
そこで事故に巻き込まれ・・・
その後の状況が、ちょっと前に読んだ名作と
同じようなものでびっくりしました
しかし、それとはそれ以外は異なっており
他の登場人物たちとの交わりもあり
いいお話でした
もうひとつ奇蹟があってほしかったなぁとは
思いました
Posted by ブクログ
脳の病気を題材にしたところは面白いなと思いました。
私は医療系の大学通ってるので脳の話の下りは勉強になりました。
文章は読みやすかったですが、1人の会話文が長いような気がしました(汗)。
Posted by ブクログ
入院中に読みました。
年老いて怪我や病に襲われてもなお人は生き続けなければならないのか、を自然と考える日々の中で読むにはぴったりの作品。
其々に傷や重荷を背負い、その責任を負い続ける人々。生きるとは?死とは?
もう私の歳になると、死んだらどうなる?みたいなことの恐怖はなくて、身綺麗に死にたいってことの方が重要になってくるので少し感覚にズレはあるのだけれど、読みやすくて美しいストーリーだった。
Posted by ブクログ
この作品はミステリではなく、ファンタジーであると思う。ネタは別の作家が使用している。
しかしそれでもやっぱり良い。心を動かしてくれたことは嬉しい。
最初は特に動きもないが、途中から集中して行くでしょう。
第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラー。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。
Posted by ブクログ
事件を契機としたピアニストと少女の物語
序盤からは全く予測できない展開
物語が最後まで丁寧に書かれすぎていていると思う。
悲惨な事件や事故の物語だが内容は徐々に明るく日が差してくるようで山奥の療養所の礼拝堂の情景と合わさっている。
【奇蹟 】キリスト教などの信仰を通じておこるとされる超自然現象。もしかしたら、土地柄少女の亡くなった両親が?そういう含み?
Posted by ブクログ
確かに今、忙しくて翌朝がすぐに来てしまう生活をしているから、幸せなのかなと思うが、その忙しさにやり甲斐とか生きる張り合いがプラスされたら、更に幸せになれるのかなと思った。
Posted by ブクログ
面白いか面白くないかと言われたらおもしろかった。
前半の長さは気になるし、その時点での感想としては脳疾患のある家族がいる人には刺さるかも?っといった感じ。
後半は心情の揺らぎやファンタジー風味もありおもしろかった。
景色の描写が素敵でした
Posted by ブクログ
左指を失くしたピアニストと知恵遅れだが、天才的なピアノ奏者である少女、千織の物語。
2人は千織の知恵遅れを少しでも克服しようと、老人ホームなどの施設を訪問しては千織のピアノ演奏を聴かせていた。
しかし、ある施設訪問の時に事故に遭い、その施設の調理師である真理子(青年の後輩でもあった)と千織の体が入れ替わってしまう。意識不明の重体である真理子の体はどうなってしまうのか…四日間に起こる奇蹟とは何か?
とても読み応えのある本だった。「生きる」とはどういうことなのか、今一度考えてみようと思った。
Posted by ブクログ
このミステリーがすごい受賞作なのでミステリーと思って読んだがどちらかといえばファンタジー?別の人に乗り移る的なストーリーはあまり好みでないのと展開的にも淡々としたもの。
Posted by ブクログ
読んでて『えっ』と声が出てしまうシーンがあります!
ネタバレですが、千織に真理子の心が宿ったときです。
小説は現実ではあり得ない人々の心情を見ることが楽しむポイントの一つですが、その中でもよくこのシチュエーションを考え付いたなと思いました。
ラストも前向きな気持ちになれます!
Posted by ブクログ
「このミステリーがすごい!」の第1回大賞作品。殺人事件があるのでは無く、タイトルにあるような本当に「奇蹟」という言葉がピッタリな作品。少女を助けたことで、小指を失ってしまうピアニスト。その後、ピアニストと少女の不思議な体験。ネタバレなしで表現するとこんな感じであろうか?
映画で実写化されていたが、なんかあまり評価が良くないようで、中々世界観を表現できなかったのかな?
書籍はナイスでした。
Posted by ブクログ
良かったところは、千織と如月敬輔の関係性。切っても切り離せない事件で結ばれて、さらにこの物語の中で絆が深まっていく。お互いがお互いを暖かく思いやっている姿はとても素敵だと思った。
いまいちだったところは、医学的な説明が長ったらしかったこと。ものすごく長いし難しいし、読む気が失せて何ページも飛ばした。あの説明が物語において必要だとは思えなかった。
総合的に、ピアノ演奏の描写はとても好きだった。ただ、登場人物一人一人に大きな魅力を感じたかと言われると、そこまででもなかった。
Posted by ブクログ
ほんわか心温まるお話
読んだあと無性にピアノが弾きたくなりました。
このミス大賞受賞作ですが、どんでん返しや意外性はないのでそうちったのを求めている方にはオススメしません。
でも作品解説でこのミスの選考基準を読んで納得。
Posted by ブクログ
少し話が唐突な感じがしたけれど引き込まれる内容だった
切ない心情や嫉妬などたくさんの感情が余白から読み取れる文章で想像力を働かせて読むべき本
Posted by ブクログ
SFっぽいのが少し苦手ということもあって、星三つ。
サクサク読めるのでレモンティーみたいな本だった。
最後がきちっとハッピーエンドでよかった。
Posted by ブクログ
友人から薦められて読んでみました。
「このミステリーがすごい!」大賞と言うことで幾分期待して読みました。
しかし、これはミステリーではないですね。ファンタジーと言った方がいいかも。
事故によって二人の女性が入れ替わるというのは東野圭吾の「秘密」などですでに描かれている手法なので、そこで「パクリ?」の思いが浮かびました。
ヘリコプター事故の無理矢理感とか、なんかなぁと思いましたが、入れ替わりが四日間限定という設定の中で割とよく書かれていたかな。
Posted by ブクログ
読み終わって、音楽を聴き終えたような感じ。礼拝堂でのコンサート。ピアノの音が耳に残る。この、親しい人を取り上げてしまうこの著者のやり口は、汚いんだけど、まあそういう側面もあるのだからと思えなくはない。
ただ、なんとなくタイトルがまとっている雰囲気のとおりの、まったくきれいな奇跡の物語ではないよね、と思う。あと女子のテンションがちょっと、リアルではないという気もする。会話とか。それからファンタジーというかファンタジーというより、不思議な展開は確かにあるけど、それまでファンタジー感もまったくないところに出現し、かつそのあとの登場人物たちがすんなりと受け入れて今まで通りに話を進めすぎていると感じ、心情についていけないところがあった。
あとは無理やり恋愛にしなくてもいいというか、恋愛ごっこを描くのがあまり得意ではないように思えた。曲の描写力がうまく、知らない曲でも聴いてみたいなと思わせるのがすごいし、脳の話もきちんと分かりやすいように解説しているのとか、そういう文章力はすごいと思った。ラストの礼拝堂のシーンはとてもよかった。