あらすじ
生命は活動し、物体は形を持ち、時間は流れる。物質や光の最小単位・量子は、これらのあらゆる現象と関わりを持つ。だが量子には謎が多く、運動方程式など、私たちが住むマクロ(巨視的)な世界の物理法則が通じない。その正体すら判別できず、教科書でも「粒子であり波でもある」という矛盾を孕む説明がなされる。本書では「粒子ではなく波である」という結論から出発し、量子を巡る事象の解明に挑む。細胞の修復、バラバラに砕けない金属、枝分かれしない歴史……こうした世界の秩序は量子が創っていた――。日常の見え方が変わる一冊。
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Posted by ブクログ
量子論とは何か、というのを平易に解説してくれる本。
実験で計測しようとすると結果に影響が出てしまう、という有名なロジックや、シュレーディンガーの猫、量子が離れた場所にあってもお互い影響する(ように見える)など本当はこうなんです、とすいすいと解説してくれる。
物理学の各理論の関係や研究者の力関係、ノーベル賞の受賞順まで、「そうなのか」と腹落ちしていく。物理は高校の時にひどい目にあったが、人生の後半に差し掛かってきて、このような解説本、入門本をよく読むようになった。
このような層のニーズがある(科学そのものは不案内だが、どんなものか知りたい)のは30-40年前には思いもよらなかったことではないだろうか。