【感想・ネタバレ】敗者の生命史38億年のレビュー

あらすじ

逃げろ。なぜ、弱くても生き残れたのか? 生物に学ぶ画期的な生き残り戦略。敗者――。この言葉に、皆さんはどのような印象を持たれるであろうか。戦いに敗れた敗者は、弱い存在であり、みじめな存在であり、憐れむべき存在に見えるかも知れない。しかし、本当にそうだろうか。38億年に及ぶとされる悠久の生命の歴史の中では、最終的に生き残ったのは常に敗者の方であった。そして、その敗者たちによって、生命の歴史が作られてきたのである(本書より抜粋)。(おもな目次)敗者が紡いだ物語/競争から共生へ/動く必要がなければ動かない/破壊者か創造者か/死の発明/捲土重来の大爆発/敗者たちの楽園/フロンティアへの進出/そして、恐竜は滅んだ/古いタイプの生きる道/哺乳類のニッチ戦略/サルのはじまり/ホモ・サピエンスは弱かった/進化が導き出した答え/結局、敗者が生き残る ナンバーワンではなくオンリーワンを目指せ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

(本から)
「細胞内共生説」

原核生物(バクテリア(細菌))から真核生物へ

ミトコンドリアの祖先は、酸素呼吸を行う細菌

細胞の中に取り込まれた葉緑体の生き物は、細胞の中で光合成を行うようになった。

細胞は細胞核を作り、自らのDNAを格納した。

生命は、過酷な逆境でこそ進化を遂げる

アリストテレス
「植物は、逆立ちした人間である」

生物の生息地をニッチという
ニッチを奪い合う進化の過程

動物に対する対抗手段として効果的な毒成分はアルカロイドである。このアルカロイドは窒素化合物を原料とする。窒素は、植物が根から吸収するものであり、限りある資源である。窒素は、植物の体を構成するタンパク質の原料であり、成長に不可欠なものである。そのため、植物がアルカロイドなどの毒成分を生産しようとすれば、成長する分の窒素を削減しなければいけないのだ。
(略)
苦労して少しばかりの葉を守るよりも、他の植物に負けないように生い茂り、枝や葉をそれだけ増やした方が良いのである。

出来る限り「戦わない」というのが、生物の戦略の一つになる。(略)
生物は、自分のニッチを軸にして、近い環境や条件でナンバー1になる場所を探していく。つまり、「ずらす」のである。この「ずらす戦略」はニッチシフトと呼ばれている。

進化が作り出した生物の世界は多様性に満ちている。あらゆるものが個性を持ちながらつながりを持っている複雑な世界である。人間の脳はこのところ複雑さが区別できないのだ。
(略)
自分に必要な情報のみを切り出して、単純化する能力を発達させてきたということなのだろう。

自然界には境界はない。全てがつながっている。

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2023年01月29日

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