【感想・ネタバレ】図鑑を見ても名前がわからないのはなぜかのレビュー

あらすじ

生きものの種を確定させることを「同定」といいます。「同定なんて図鑑をパラパラめくって同じのを探せばいいんでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、そんな簡単なことではありません。「似ているのが多くて同定に自信がもてない」「どうしてパッと見で同定ができないんだろう……」。生きものが好きな人のなかにもこのように思っている方はたくさんいます。
「なぜうまく同定できないのか」「どういうプロセスで同定ができるようになるのか」を真剣に考えたのが本書です。勤務先の敷地内で昆虫とクモ800種以上を同定してきた、同定大好きな著者がお届けする、図鑑と同定のことをトコトン掘り下げた一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

それは物を見る目が養われていないから。なので、見方を覚えましょう。という内容の本。ざっくり言うと見た物の詳細を文章でアウトプットすると、視覚的に物を見る目の解像度が上がり、区別できる目としての成長につながるようだ。

第2章「目を作るとは」で具体的な方法が書かれているが、区別したい生物の絵と書かれている内容を行ったり来たりしていると、区別できなかったものが段々と区別できるようになっていったのが面白かった。ふんわりしている印象を文章化することで、その特徴が頭に入ってくる。特に例の鳥の顔が区別できるようになったのは、正直驚いた。こんな違っていたのか、と。

目だけに限らず、五感のどれかを使う勉強にはどれでも応用が効きそうな内容だなと思ったが、これは文章化が得意な人向けの覚え方で、文字が苦手な人には恐らく無理な方法だろうなとも思った。逆に言うと音で覚えたり、形で覚えたりするのが得意な人向けの方法もあるのかもしれないが、図鑑というのはだいたい文字で出来てるものだからなぁ。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はい、目を育てるだけの頭の体力が必要です。
151p今眠くなってきたりこの本を読むのをもう終わりにしたいと思っている方がいるのではないでしょうか。それは普通の反応なので安心してください。以下略。日を改めて注意力をもって再開せよ。
目録というのもある。
うん、人生にこういう楽しみのある人はすごい。こりゃ大変だ。同定できた時は、また一つ自然について知ったという、今日は意味のある日だったという喜び。登山道や荒野の轍としての総括的文献。すごい。
自分という存在を確かに活用しているという手ごたえ!

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ある生物がなんという種名なのかを知る(これを調べることを同定という)ことは簡単なことではなく、知識さえあれば、同定できるというものではないというところから、どのようにすれば図鑑を見て生物の名前を知ることができるか、具体例を多く交えて紹介してくれている。
 いくつか比べて、それぞれ異なる特徴を自分なりに書きだす方法は、なるほどなと感じた。図鑑を見て、見分けるポイントの知識さえあれば名前が分かる・・・と単純にいかない理由は本書内でも色々と説明されている。
 また、詳しい方に見分けるポイントを聞いても細かく教えてくれなかった理由も分かった。その生物を見てきた人にとっては、本当に全く違うものに見えているのだ。その目を養うのは容易ではないが、その前段階として、図鑑をどう活用すればよいのか、身近にいる生き物を知ることの楽しさを思い出させてくれた一冊。
 私は海洋生物に対して興味が大きいが、今度街中の植物などにも注目してみたいなと感じた。その際には本書内でもすすめられていたように、ハンドブックと少し大型の図鑑の2冊を用意しようと思う。

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2022年09月15日

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