あらすじ
三十代半ばの高橋泉は、別居を続ける夫との行き詰った関係に苦しんでいた。仕事帰りのある日、泉は駅のホームで女子高生の島原千代子と出会う。千代子は自由な生き方を認めない両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた。心の痛みを分かち合ううち、ふたりは恋に落ちる。お互いをかけがえのない存在だと気づいたふたりは、泉の一人息子を連れて、星がきれいな山里「マチュピチュ村」へと駆け落ち。やがて千代子は、泉と出会う前に関係を持った男性との間の子どもを出産。長女が加わり一家は四人に。ゲストハウス開業、念願の結婚式とハネムーンツアー、千代子の闘病、そして……。喜びと悲しみに彩られた十六年間の軌跡を辿る、新たな家族小説の誕生。
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Posted by ブクログ
4章あり、家族4人それぞれの視点が描かれる。時系列は同じではなく章が進むごとにゆっくり進行していく。
最初の泉視点は新しい家族の幕開けで希望が感じられる。この雰囲気が続くのかなと思ったら少しずつこの家族の儚さや不安定さが見えてくるようになる。そうして3章の草介の視点でそれが浮き彫りになる。
草介の視点がとにかく苦しい。泉視点が明るい話なのは鈍感ゆえに物事を表面的にしか捉えらていなかったからと分かり、悲しい気持ちになる。
宗介の事故さえなければ、社会の常識から外れた形で家族になり、母千代子の死を乗り越えていく物語だとわかるが、草介が悲惨すぎて最後の前向きな描写も前向きに捉えられない。
性を超えた愛が息子を苦しめていた。駆け落ちは間違った選択だった?多様性を認めるというより多様性に苦しめられた家族の物語に感じた。
Posted by ブクログ
友人の女性カップルのことを思いながらこのカップルの話を読んだ。
2人が愛し合い、家族になって、地域に根付いていく。それぞれの子どもたちと、みんなそれぞれがお互いのことを思い合って暮らしている。
草介には、もっと自分の好きな道を見つけて幸せになってほしかった。
ハワイ旅行の段階で、千代子の運命を予想できたけれど まさか草介までがあんなことになるとは、悲しかった。
でも、希望を捨てない泉と宝。
それにしても宝とはいい名前だな。
Posted by ブクログ
好きな人と共に歳を重ねること、家族が平和に暮らすこと。ありきたりだけど、それ以上の贅沢があるだろうか。
性別なんて関係なくて、好きな人と大切な時間を刻めることが幸せなのだと思った。自分がもっている花の色は変えることはできないから、その花を最大限に素敵に魅せる為に沢山水と栄養と幸せを与えてあげたい。自分のこころを癒してくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
駆け落ち
高橋泉
草介のお誕生日会の準備の帰りの駅で千代子を目撃する。仕事帰りの駅で千代子に話しかける。千代子を好きになる。離婚の慰謝料で車を買い、三人で街を出る。
草介
泉の息子。
島原千代子
女子高生。駅で自殺しようとしていた時に、泉に話しかけられる。泉が通っていた近所の島原医院の娘。家族にレズビアンと告白したが、受け入れられなかった。
千代子の父
島原医院の先生。
千代子の母
宝
千代子が産んだ赤ちゃん。草介が命名。
ゲストハウス虹、誕生
宝
生後半年を過ぎた頃から、赤い色に並々ならぬ執着を持つようになる。
泉
カカ。
千代子
ママ。
草介
ボス
集落をまとめるリーダー的な存在。村で生まれ育ち、大阪に集団就職し、関西出身の男性と結婚。妊娠を機に、故郷に戻ってきた。
桜子
千代子の従姉。
スズキ
ゲストハウスの宿泊者。
ハネムーンと夜の虹
草介
コールセンターに就職。
泉
千代子
宝
エピローグ、じゃなくて、これから
宝
草介
千代子
泉
Posted by ブクログ
久しぶりの読書。あっという間に読み終えた1冊。
読んでいる最初のうちは千代子と泉の出会ってからのあまりにも早い駆け落ちに面食らってしまって読みながら恐らく眉間に皺が寄っていたと思う。でもだんだんと彼女らのやり方に、ペースに慣れていって自然とページを捲っている自分がいた。マチュピチュ村の住人のような距離感で彼女らを見守っていたように思う。
以前小川糸さんの「ライオンのおやつ」を読んだときも、死という題材を扱っているにもかかわらず温かい気持ちになったのを思い出した。今回の「にじいろガーデン」はよりしんどくなる場面が多くて終始温かい気持ちになるというわけにもいかなかったけれど、小春日和のようなじんわり温かい描写もやはりたくさんあった。
千代子さんの最期があまりに美しくて羨ましくすらなったなあ…
血の繋がらない家族が一生懸命家族を強固なものにしていく様子に、自分の家族は血が繋がっているけれどその努力を怠ってはいけないなと思った。せっかくのオハナを大切にしないと、ね。