【感想・ネタバレ】歴史をなぜ学ぶのかのレビュー

あらすじ

歴史から教訓を得て、いまに活かす。「歴史に学べ」とはよく言われるが、それはいったいどういうことなのか。本書は日本史における六つのターニングポイントをたどりなら、歴史を学ぶ上で、重要な理論や視点が身につけられるように構成されている。歴史を読み解く目、歴史を考える頭、歴史を語る言葉。東大教授が教える歴史の本質がわかる一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中学校で社会科を教えていますけど、実は歴史が苦手なんですよね。汗。
世界地理・日本地理・歴史(日本史中心)・現代社会・政治・経済・国際社会。これだけ全て教えるので、どうしても広く浅い知識になる。全てについて、教員になってから、常に一生懸命勉強してきた。学生の時は、経済地理学専攻だったので、専門は政治経済、日本地理。一番苦手なのが歴史なのです。
歴史に対する苦手意識を克服し、生徒にも分かりやすく歴史を教えられるようになりたい、と思って手に取った一冊。この手の本は読んでみて、「あー。やっぱりダメだ、面白いと思えなかった…」という残念な結果になることも多々あるのだけど、これはけっこう面白かった!ちょうど今大河ドラマでやってる、鎌倉幕府成立の背景も出てくるし、教えていていつも迷う、日本の歴史における天皇の位置づけについても、新しい視点で考えることができた。
中学校ではざっくりと、古代が朝廷中心の律令国家・中世、近世が武士の世の中、近代になって大政奉還…と区切るが、武士が政権を執った時代にも、朝廷(天皇)は脈々と続き、武家の棟梁は天皇から征夷大将軍に任命される必要があった。それってどういうことなのか?本書では朝廷(公家)が国家のトップにあり、武家と寺家がそれを支えているという「権門体制論」と、いや、西に朝廷があり、東に鎌倉幕府があり、二つが並んでいたのだという「東国国家論」が紹介されており、そんな風に考えることもできるのかー!と面白く感じた。つまり、鎌倉幕府はどういう存在だったとするのか、捉え方が様々にあり、正解がないというか、それを考えるのが歴史の面白さであり、中学校の歴史の教科書を読んでいて「よくわからんぞ」と疑問が出てくるのは当然なのである。(ちょっと安心した(笑))。
最期の方はちょっと専門的すぎて、歴史学者の学閥の話とかになってたけど、それも興味深かったです。

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2022年02月19日

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